Celso Fonseca

rive gauche rio


 梅雨の季節は何かと憂鬱になるもの。そこで、ひと足先にリゾート気分を味わっては如何でしょうか? 今回紹介するアルバムは、自分が、ついリゾートでゆったりしていると錯覚させてしまう セルソ・フォンセカの<リヴ・ゴーシュ・リオ>です。

 ボサノヴァは聴くけど、セルソ・フォンセカって誰?って思っている方も多いでしょう。 そこで、彼を少し紹介してみたいと思います。
 1956年11月15日、ブラジルはリオ・デ・ジャネイロ生まれのリオッ子、通称カリオカです。 カリオカって聞いた事がありますよね。歌にもありました。で、彼はギタリストとして活動を開始します。 共演したアーチストといえば、ジルベルト・ジル、ミルト・ナシメント、カエターノ・ヴェローゾなどなど、 一流のアーチストばかりです。特にジルベルト・ジルとは、 そのバンドのメンバーとして10年以上に渡って彼を支えてきました。その後、 1990年代に入るとプロデューサーとしても活躍の場を広げはじめます。 女性歌手ダウージのデビューアルバムを手がけた彼に注目が集まり、 その後はバイーアのディーヴァと言われているヴィルジニア・ホドリゲスや ヴェロニカ・サビーノを成功に導くと99年には、ガル・コスタを手掛けるまでになったのです。 勿論、作曲や編曲にかけても注目され、今やブラジルを代表するアーチストの一人として活躍を続けています。それでは紹介していきましょう。

 物悲しいメロディーに胸が締め付けられそうな#1。ほてった体に冷たい風が・・・、 といった感じでしょうか?不安定なセルソ・フォンセカの声が何とも言えなく心地よい#2。 ギター、パーカッション、フルートがバランス良く彼の歌をサポートしています。 ちょっとスティーヴィー・ワンダーを思い出させる#3。体が自然にリズムを刻みます。 やっと本来のボサノヴァになったなと思っている方もきっと多い#4。ほっとします。 アフリカが頭の中に浮かぶパーカッションで始まる#5は、アイルランドの シンガー・ソング・ライター、ダミアン・ライスの曲。ギターとパーカッションという シンプルな伴奏が良いですね。良く聞いてみると英語なんです、歌が。哀愁あるメロディーの#6。 フォンセカとは昔からの盟友、ホナウド・バストスとの共作です。#7は、この曲を作った ジョルジュ・デゥルクスラーをギターとヴォーカルに迎えて贈る、とてもほのぼのとした一曲。 双方のギターの違い、判りますか?海から上がって夕日が沈みそうな水平線を見つめている少年(少女)。 そんな風景が浮かんで来る#8。ブラジルのサンヴァ・カンソンを思い出させる#9。 どこか懐かしいです。心地よいリズムの中に自分が溶け込んで行くのがはっきり分かる#10。 再びホナルド・バストスとの共作#11。セルソ・フォンセカのギター弾き語りです。 とっても気持ちがいいですね。海風にあたってこのまま眠りに落ちそうです。 輸入盤では最後になる#12。ちょっと毛色が違うなって思ったら、 80歳を過ぎてから再びブームになっているフランスのアンリ・サルヴァドールの作品でした。 終わり方もお洒落でしたね。この後、国内盤には2曲のボーナストラックが付いています。

 如何でしたか?ひと足先にリゾート気分を味わってもらえたでしょうか。アルバムの番号は、 Zir24(輸入盤〜ジリギブーム・レーベル)、COCB53319(国内盤〜コロンビア)から出ています。 ブラジルのコーナーに行ってみて下さい。 次回はセルソ・フォンセカが上のレヴュー#6、11に出てきた作詞家、 ホナルド・バストスと一緒に作り上げたアルバムを紹介する予定です。