Katherine Jenkins

Living A Dream


 みんなさんは今年のクリスマスどの様に過ごしますか?家族と一緒に?友達とパーティー?恋人と二人っきりで? そのどんな場面にもピッタリなアルバムを紹介しましょう。昨年のデビュー以来、イギリスで爆発的な人気を獲得している メゾ・ソプラノ、キャサリン・ジェンキンスの<リヴィング・ア・ドリーム>です。

 彼女の名前を知らない方は相当いると思います。それもそのはず、日本では先月末にようやく紹介された人なんです。 で、簡単に彼女を紹介してみたいと思います。
 1980年、イギリスはウェールズのウェストグラモーガン州ネアスに生まれたキャサリン・ジェンキンスは、 幼い頃からクラシック音楽に興味を示し、7歳の時には、地元の<クワイアーガール・オブ・ジ・イヤー>に輝いています。 10年後には地元<ウェールズの顔>に選出されるなど、モデルとしても活躍、学校で教鞭をとった事もある才女です。 2003年にはロンドンの王立音楽院を卒業、その年には、ウェストミンスター大聖堂で行われた法王在位25周年のミサで歌い、 オーストリア、シドニーのオペラハウスでデビューを飾ります。その後、ユニヴァーサル・クラシックと6枚のアルバム制作を契約し、 2004年、デビューアルバム、<プルミエール>を発売。イギリス国内のみの発売でしたが、初登場1位に輝き、 8週連続してその位置を守ります。そして、早くもその年の10月にはセカンド・アルバム、 <セカンド・ネイチャー(世界に向けてのタイトルは、ラ・ディーヴァ)>を発表。クラシックで1位、 ポップスのチャートでも20位にランクされたのです。このアルバムは、クラシック・チャートで9ヶ月間トップを走り続けるという、 まさに、怪物的なアルバムとなりました。そして、今年(2005年)7月にはそのセカンドアルバムで世界デビュー、 日本でも、ようやく11月に発売される事となったのです。今回紹介するアルバムは、この10月に出されたサード・アルバムです。 それでは紹介していきましょう。

 朝のミサ、という感じで始まる#1。ホイットニー・ヒューストンで有名な曲ですが、 まるっきり違うアプローチでクラシックしてます。朝靄の森にいる雰囲気でしょうか。最近の流行りとでも言いましょうか、 ポップスとクラシックの中間をいく歌手が増えていますが、その歌手たちがこぞって取り上げる#2。日本でもヒットしました。 壮大な大地を思わせる歌ですね。日本を舞台にしたプッチーニのオペラ<蝶々夫人>。その中でも特に有名なアリア#3。 英語で歌われるのですが、全く違和感を感じません。舞台が見える歌唱です。彼女の幅広い声に心が洗われる#4。 まだまだロングランを続けているミュージカル<オペラ座の怪人>。その中でも特に美しいナンバー、#5。 地下の洞窟いある湖を船で渡っていく怪人とクリスティーヌ。キャサリンの声が何時までも響き渡っていそうです。 プッチーニの遺作となったオペラ<トゥーランドット>。その中で王子カラフが歌うナンバー#6。後ろの合唱も素晴らしいですね。 ヨーロッパ映画は、最近のハリウッド映画と違い心の奥にジーンと迫るものがありますが、 この<ニュー・シネマ・パラダイス>もそんな映画でした。#7を聴いていると映画のワンシーンが思い出されて涙が頬を伝います。 #8も<ディーヴァ>という映画に使われた曲。#9は何回ヒットした事でしょうか。 先日亡くなった本田美奈子さんも歌っていましたが、透明感溢れるキャサリンの歌唱には親しみを感じます。 #10で彼女は作詞にも挑戦しています。教会で聴いたらどんなに素敵か想像できますね。 キャサリンとバックのコーラスの調和がとてもいい#11。胸いっぱいに空気を吸った時に感じる爽やかさがありますね。 心地よい眠りを誘うサン・サーンス作曲の#12。何時までも子供の気持ちでいたくなる#13。ヴァースから歌っています。 日本でも馴染みが深いイタリア民謡。その中でも特に有名な#14。音楽の授業を思い出しますね。 古くからある曲に付いている詩は単純な言葉の繰り返しが多いのですが、この#15もその例に漏れません。 ですが、それがまた素晴らしいのです。朗読しても素晴らしい<詩>です。アルバム最後の#16で何時、何処でか分からないけど、 私たちは再び出会うでしょう、と歌うキャサリン。このアルバムを手にしたあなた。その時、 再び彼女に会える喜びを味わって頂きたいと思います。
 如何でしたか?クリスマスシーズンにピッタリのアルバムでした。キャサリン・ジェンキンスは2006年に来日する予定です。 是非、本物の彼女に会って、生の歌声を聴いてみたいものですね。 メゾ・ソプラノにしては幅広い声を持つ彼女の魅力を早く味わいたいあなた。すぐにクラシックの声楽コーナーに行ってみてください。 アルバムの番号は、4763110 でユニヴァーサル・クラシックスから出ています。今のところ、 この3枚目のアルバムは輸入盤でのみ入手可能です。来年の来日時に、おそらく来日記念盤として出る事でしょう。