Jeffrey Osborne

from the soul


 梅雨が明けそうで明けない今日この頃、部屋でじっくりと音楽を聴いて気持ちをすっきりとさせたいですね。 今回紹介するアルバムは、1980年代に絶大なる人気を誇ったソウルシンガー、ジェフリー・オズボーンの新作、 <フロム・ザ・ソウル>です。

 彼を知らない方の為に少し彼を紹介してみましょう。
 1948年、アメリカはロード・アイランド州プロヴィデンスに生まれた彼は兄弟が11人もいるという大家族で暮らしていました。 父親がライオネル・ハンプトンやカウント・ベイシーらの楽団でトランペットを吹いていた関係で、 ジェフリーを始め兄弟皆が幼い時から音楽に親しんでいたのです。彼が13歳の時父親が他界、 彼は家族から離れて独立する事を決心し、15歳でプロとして生活をはじめます。当時サム&デイブのツアーバンドをしていた <Love Men Ltd.>と呼ばれたそのグループは、1970年に名前を<L.T.D.>と変え、 彼はそこでドラマー兼ヴォーカルとして再スタートをきります。1974年にレコードデビューを果たすと、 わずか2年後には<Love Ballad>がビルボードのR&Bチャートで1位を獲得、ソロに転向した後も<Stay with Me Tonight>や、 ディオンヌ・ワーウィックとデュエットした<Love Power>が大ヒットしてその地位を揺るぎないものとしたのでした。
 そんな彼が届けてくれたニュー・アルバムは、大ヒットした懐かしのソウルミュージックのカヴァーアルバムとなりました。 それでは紹介していきましょう。

 #1はテディー・ペンダーグラス1978年の大ヒット曲。夜の世界が広がりますね。 スティーヴィー・ワンダーの#2ではお洒落にステップを踏みたくなってしまいます。 もう懐かしさいっぱいでダンスフロアーに飛び出したくなりますね。テリー・デサリオ&KCが放った全米No.2ヒットの#3。 とてもセクシーなジェフリーの声にメロメロになってしまいそうです。 ニール・ヤングやスティーヴン・スティルシュらが所属していたバッファロー・スプリングフィールズ。 彼らのファーストアルバムに入っていた#4。ちょっとファンキーなノリがいいですね。 1965年、カーティス・メイフィールドが作詩・作曲した名曲#5。ジェフリーも感情を込めて歌っています。 この曲でロバータ・フラックが出てきた時には驚きなんてものじゃありませんでした。 強烈な印象を残したこの曲#6を噛みしめる様に歌う彼に好感が持てますね。 ポール・ブラウンの弾くギターのソロがいい味を出してジェフリーを後押ししています。 #7の出だし、キーボードの音色を聴いただけでアルバム全体が思い出させるほどの傑作アルバム、 スティーヴィー・ワンダーの<キー・オブ・ライフ>。ミディアムテンポのシンプルなアレンジが心地よいです。 すべての音楽家が一目置いた存在のアレサ・フランクリン。#8は彼女が1964年に歌った大ヒット曲です。 ジェフリー歌には、静かの中にも魂を感じるような気がします。耳の傍で囁かれる様にスタートする#9は、 ご存知、ホィットニー・ヒューストンのデビューアルバムに収録され、日本でのみシングルカットされた、 ジェフリー作曲の名曲です。自身が作曲しただけあって、感情移入に力が入っていますね。 アルバム最後の#10はキャロル・キングの作品。多くの歌手たちが取り上げている曲です。 最近彼女が発表したライヴアルバムにも収録されていました。ジェフリーは、話し掛けるように歌っていますね。 情景が見えてきます。

 如何でしたか?懐かしくて体は手拍子をとりながら動いているのに、何故かホッとした気持ちになっていませんか? 夜、間接照明の部屋でグラスを傾けながら聴きたい感じです。
 アルバムの番号は、KOC CD 5827 でJayOz Recordsより出ています。ソウルまたは、R&Bのコーナーに行ってみて下さい。 今の時点で国内盤の発売予定はありませんので輸入盤でお求め下さいね。

2006.7.22