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梅雨の季節です。まだまだひと月近く続きますが、気持ちも落ち込みがちです。
そんな時には気分を落ち着かせてくれる音楽が一番。今回紹介するルシアーナ・ソウザの
<ザ・ニュー・ボッサ・ノーヴァ>はあなたに穏やかな風を運んでくれる、そんな一枚です。 ルシアーナ・ソウザ。 彼女の名前をこのコーナーで見かけたことがある方は何人かいらっしゃるのでしゃるのではありませんか。 今年のグラミー賞を獲得したハーヴィー・ハンコックのアルバム<リヴァー>に参加していたからです。 このコーナーでは#173で紹介していますがもうお聴きになりましたか? アルトで穏やかな歌声が印象深かったと思います。 彼女のプロフィールをここでちょっと紹介しておきましょう。 ブラジルはサンパウロ生まれの彼女は、父親がブラジル音楽の重鎮ヴァルテル・ サントスだったこともあって3歳の時からラジオのコマーシャルを吹き込んで、 今までに200以上も録音しています。アメリカはボストンのバークリー音楽院で作曲学士を、 ニューイングランド音楽院ではジャズの修士を取得するといった才女でもあります。 既に他のアーチストの30枚以上のアルバムに参加、彼女自身もこのアルバムが7枚目となりますが、 グラミー賞にも過去3度ノミネートされていています。 そして昨年このアルバムを録音した後に参加したハーヴィー・ ハンコックのアルバムでグラミー賞を獲得するに至りました。 今回のアルバムとハーヴィー・ハンコックのグラミー賞受賞アルバム<リヴァー> のプロデューサーでもあるベーシストのラリー・クレインと2006年に結婚、 活動拠点をニューヨークからロス・アンジェルスに移し、 今年11月にはニューアルバムのレコーディングも控えて、来年の4月には発売する予定だといいます。 はっきりとした年齢は公表されていませんので分かりませんが、その経歴から察するに、 おそらく30代半ばと思われます。 それでは紹介していきましょう。 彼女が参加したバーヴィー・ハンコックのアルバムはジョニ・ミッチェルのトリビュートでしたが、 この#1もジョニ・ミッチェルの作品。気だるい雰囲気がリラックスさせてくれます。 作者のジャームス・テイラーとデュエットする#2。 レナード・コーエンのシンプルで味わい深い詩を噛み締めて歌う#3。皆さんも詩を良く聞いてみてくださいね。 スティングの作品#4は雨の風景が良く似合います。不思議の国に迷い込んでしまったかの様なエリオット・ スミスの#5。クリス・ポッターのテナー・サックスが効果的に流れる#6。どこか神秘的な響きを感じる#7。 彼女が作詞し夫のラリー・クレインが作曲した#8。森の中で見つけたオアシスの様です。 木々から滴る水滴があなたの目には見えますか?映画音楽の世界でも活躍が目覚ましいランディー・ニューマン。 彼の作品#9。自分にもこんな気持ちにさせられた人がいましたっけ。もう過去の話ですが。 ちょっと感傷に浸ってしまいました。マイケル・マクドナルドの#10は良くカヴァーされていますが ルシアーナ・ソウザの声の雰囲気がこの曲にピッタリです。眠りを誘う#11。落ちそうです。 アルバム最後の#12はボッサ・ノーヴァ創始者の一人、アントニオ・カルロス・ジョビンの超有名曲。 ルシアーナの独特の節回しがまた違ったジョビンの世界を作り上げています。 如何でしたか?梅雨の鬱陶しい時期に気分を落ち着かせるのにピッタリなアルバムでした。 ルシアーナ・ソウザのアルトが心を落ち着かせてくれましたね。 アルバムの番号は、0602498485392でヴァーヴから出ています。 ジャズ・ヴォーカルのコーナーに行ってみて下さい。 2008.6.28
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