ELSIE BIANCHI

THE SWEETEST SOUND


このエルジー・ビアンキのアルバムは、かつてヴォーカル・ファンの間 では数万の値打ちがついたほど話題になっていたものです。勿論、LP の話しですが。ですから数万円も出して彼女のLPを手に入れた人は 、まさかCDで発売されるなんて思ってもいなかったでしょうから、 きっと悔しくて仕方ない事でしょうね。
彼女はスイス人ですが、主に活躍の場をドイツにしていました。そして 元々はアコーディオンを弾いていたそうです。
ところで、このCDですが、録音が1965年。日本発売が98年で すから、なんと三十数年ぶりに陽の目を見た事になります。まさにCD 様さまです。
さてCDの紹介に入りましょう。まず軽快なテンポでピアノも歌も 進み、おまけにスキャットまで披露してくれる#1。スタンダード・ソン グとしてもうご存じの方も多いとおもいます。#2はロジャース&ハート の有名曲。さすがピアニストだけあって間奏のピアノも素敵です。ここで ピアノ・トリオの演奏#3が入ります。ラテンっぽいアレンジがとてもあ っています。ジュディー・ガーランドの映画<スター誕生>で使う予定が 何故か使われなかったという#4。ちょっとシャンソンの香ががするヘン リー・マンシーニ作曲の#5。スウィンギーな演奏の#6は、ミュージカ ル<屋根の上のヴァイオリン弾き>のテーマ・ソングです。LPの時 はここでA面がおわり、B面へと移ります。
#7は、これもまたミュージカルからの曲で、このアルバムのタイトル にもなっています。数多くのジャズ・シンガーが取り上げてる名曲#8。 ここではトリオの演奏になっています。アントニオ・カルロス・ジョビン の作った#9は、勿論ボサノヴァのアレンジで。彼女の声がとてもマッチ しています。〃今度また誰かと付き合うとしても、それはやっぱり君だな 〃って言うすこしキザな歌詞の#10。でも、言ってみたいですよね。彼 女のオリジナル曲である#11。トリオの演奏です。ナンシー・ウィルソ ンの十八番(おはこ)、#12。ここではナンシーのドラマティックな歌 唱に対抗して?ぐっと抑えた感じで唄っています。
如何でしたか?大晦日、紅白も良いけど、こんなCDを聴きながら 年を越すのもまたいいものです。

CD ナンバーは POCJ2628 でポリドールから出ています 。(日本盤)