Sublime & Jun Miyake

Ludic’(リュディック)


 早くも3月です。春はもう直ぐそこに来ています。そこで、今回は春を一足先に感じていただこうと、 このアルバムを紹介したいと思います。 NHKのフランス語講座でもお馴染みだったスブリームとパリ在住のトランペット奏者、 三宅純の共演アルバム<リュディック>です。

 二人を知らない方の為に、ここで簡単に紹介してみましょう。

 ブリームは、1978年にキャバレー・アーチストとしてデビュー。 同時にフランスを初めとするヨーロッパ各地で手回しオルガンのストリート・ パフォーマーとして活動を始めました。1985年に来日してからはアコーディオン奏者の cobaや今回共演している三宅純と知り合い彼らのアルバムにも参加するようになります。 先にも言いましたようにNHKのフランス語講座に出演していたので映像で彼女を見ている方も多いと思います。 昨年<TOYOTA  Lexus>のCMで流れていた曲もこのアルバムに収録されています。 最近はフランス語の発音を中心に教えているシャンソン教室を開いているほか、勿論、 歌手としても活躍しています。
 一方の三宅純ですが、1958年に京都で生まれ鎌倉で育ちました。高校時代よりプロ活動を始め、 日野皓正に見出されてボストンにある名門、バークリー音楽大学に入学、 1981年にマサチューセッツ州主催の作曲コンクールのジャズ部門で優勝します。同年日本に帰国して、 トランペットの演奏は勿論、作、編曲家として活躍、'83年にはデビュー・アルバムが発売されました。 その後は、ピナ・パウシュやパトリース・ルコントなどの海外アーチスト に抜群の信頼度を寄せられて彼らに楽曲を提供しています。 現在は2005年に移り住んだパリを拠点に世界を叉に掛けた活動をしています。

 それでは紹介していきましょう。

 スリル満点の#1。牛追い祭りをテーマにしたこの曲でスブリームの世界に引き込まれてしまいます。 終わり方もお洒落ですね。#2は、雰囲気ががらっと変わってちょっとミステリアス。 洞窟に入って宝物を探しているような錯覚にとらわれます。 とってもお洒落なカフェに入った時に流れていそうな#3。時代が何十年も遡った感じのする#4。 気だるい雰囲気がたまらなく素敵です。TOYOTAの車、レクサスのCMで使われていた#5。 車がさっそうと走っていく光景が目に浮かびますが、 本来の詩はミュージックホールで歌う歌手の喜びを歌ったものです。アルバムタイトルになっている#6。 思い通りにならないデートの話ですが、その気持ちが分かる様なアレンジですね。 中東風のリズムが怪しい世界を繰り広げる#7。ランチの後のコーヒー。フ〜っとする時間ですが、 そんな時間にこの#8を聞いていたらきっと気持ち良くて眠りに落ちそうです。 詩の内容は呆れた猫の行動について?かな。タンゴのメロディーがスリルを感じさせる#9。 殺されてしまった女性とその事件を捜査する捜査官の話です。ちょっと怖いですね。 2時間ドラマにでもなりそうです。ノスタルジーな#10。目の前の金目の物より好きな男をとった女の話。 皆さんにも経験あるんじゃないですか?スブリームの愛する東京を歌った#11。 三宅純の音楽に乗せて詩を語るスブリーム。とっても素敵なトラックです。私はこのアルバムの中で最も好き。 勿論、Tokyo je t'aime.  アルバムの最後#12は一本の道を歩き続ける一人の男を引いたカメラで追いかけて撮っている様な、 何となく映画の最後のシーンの様に感じます。

 如何でしたか?ちょっと心がウキウキして春を感じたでしょうか?
 アルバムの番号は、VACM 1366でビデオアーツ・ミュージック株式会社から出ています。 ワールドミュージックのシャンソンのコーナーに行ってみて下さい。

2009.3.7