ROBERTA GAMBARINI

So in Love


 ソメイヨシノの桜も散って久しくなりました。春本番を迎えていますね。今回紹介するアルバムは、 以前にも紹介したことがあり、またつい先日まで丸の内にある<コットン・クラブ> でライヴを行なっていたので実際に聴いた事のある方も多いのではないかと思います。

 ロバータ・ガンバリーニ本人については、このコーナー#138を参考にして頂くとして、 早速紹介していきましょう。

 タミール・ヘンデルマンの流れるようなピアノの前奏が春を感じる#1。タイトルにもなっているミュージカル <キス・ミー・ケイト>の中の曲ですが、感情を抑えたアルトの声が切ない恋心を表現していますね。 しっとりとした#1に変わって#2はスウィング感たっぷりで聴き応え十分。後を引く恋の感情を上手く唄った#3。 ロイ・ハーグローヴのフュリューゲルホーンがとても泣かせる#4。身体も乗ってきてしまいそうな#5。 彼女の母国語、イタリア語で唄う#6。この曲を聴く度に昔、日本で活躍したベツィー&クリスの<夏よおまえは> を想い出してしまうのは私だけでしょうか?これはビックリ!の#7のビートルズ・メドレー。 静と動とを上手く操っているメドレーでとても素敵です。ヴァースから唄う#8。 とてもムーディーでお酒がほしくなりませんか?バックの演奏がスリリングで嬉しくなる#9。 ロバータも負けずにスウィングしまくります。先日リバイバル公開されたフランス映画<ロシュフォールの恋人たち>。 その中で歌われた#10。勿論原曲はフランス語ですが、ここでは英語詞になっています。しっとりと唄う彼女の声が、 淡い恋を期待する乙女の祈りっぽく聴こえます。地味な曲ながら、 フランク・シナトラやカーメン・マックレイが好んで唄っていたバラッドの傑作#11。 ジョニー・グリフィンの曲に彼女自身が詞を付けた#12。途中のスキャットも迫力満点です。 大ヒットした映画<ニュー・シネマ・パラダイス>。その中から2曲をメドレーで綴る#13。 前半はちょっと引き伸ばしすぎかとも思えますが、後半はとてもいいです。でも、 メドレーにする必要がなかった様にも思えますね。アルバム最後の#14は、 映画<オズの魔法使い>の中でジュディー・ガーランドが歌った永遠の名曲。 ロバータはヴァースから唄ってしっとりと終わります。

 如何でしたか?とても素敵なアルバムでした。フ〜っと息が抜ける感じのアルバムでしたね。アルバムの番号は、 FNCJ-5529で55レコーズから出ています。ジャズ・ヴォーカルのコーナーに行ってみて下さい。

2009.4.25