![]() |
|
Lunar Tunes ![]() |
|
すっかり秋も深まってきました。秋と言えば<月>ですね。来月(10月)には十五夜(3日)、
十三夜(30日)とお月見の行事もありますね。 今回紹介するアルバムは、その<月>に関した曲を集めたジェニー・エヴァンズのアルバム<ルナ・チューンズ>です。 ジェニー・エヴァンズについて知らない方の為に少し紹介してみましょう。 ロンドンの北部で生まれた彼女は幼い頃から音楽に親しみ、20歳でドイツはミュンヘンの工科大学に入学します。 その頃、合唱団に所属していましたが、1981年に自らバンドを作ってジャズ、 ブルースなどを中心にしたライヴ活動を行なうようになります。大学を卒業後は、ライヴ活動の他にも <キス・ミー・ケイト>や<ブラッド・ブラザーズ>といったミュージカルにも出演、 歌だけではなく多岐に渡った活躍をするようになるのです。1988年にマイナー・レーベルから<Whisper Not> でアルバムデビュー。今までに7枚のアルバムをリ リースし、昨年の秋に、8枚目のアルバムであるこの <ルナ・チューン>を発売しました。今はドイツを中心に、生まれ故郷のロンドン、ロシアや日本でも公演を催すなど、 益々活躍の場を広げている、今最も油の乗っているジャズ歌手の一人だと言えるでしょう。 それでは、紹介していきましょう。 ロケットの発射カウントから始まる#1。 トランペット奏者のダスコ・ゴイノヴィッチ2000年の作品にジェニー・エヴァンズ自身が詞をつけました。 夜のムードが迫ってきます。スティングが20年以上前に作った#2。不思議なムードが漂いますね。 グレン・ミラーの超有名曲#3。ここではちょっとテンポを落として甘美なメロディーを惹き立てています。 1933年のミュージカル映画、<マズルカ>の為に作られた曲#4。それにジェニー・エヴァンスが詞を書き唄いました。 アメリカ北東部のヴァーモント州の美しい情景を唄った#5。昔から色々な歌手に歌われていますが、 詞が本当に美しいですね。ジェニーもゆったり感情を入れて唄っています。最後の歌詞、 <You and me and moonlight in Vermont>、う〜む、美し過ぎます。 エリック・サティーの曲に紀元前600年〜700年前に書かれた月の女神に関する作者不明の詞を英訳して唄った#6。 怪しい雰囲気で一杯です。私の大好きなイギリスの詩人で作曲家で医師のトーマス・カンピオン(1567〜1620)。 彼の1617年に出された<歌謡曲集>の第3冊目に載っているこの#7。「愚かな少年よ。」 と切り出す所から詞の世界にはまってしまいます。とても文学的で、改めてまた彼の詩を読みたくなりました。 バートン・レインの大ヒットミュージカル<フィニアンの虹>からの#8。恋は盲目とは良く言ったものですね。 軽いチャチャチャのリズムが心地よいですね。中近東音楽の雰囲気を漂わす#9ですが、 そのどこか危ない雰囲気をフルートの音がカヴァーしてくれています。チェコの作曲家、 ドヴォルジャーク(ドヴォルザーク)。彼がプラハ音楽院長だった時代に書いたオペラ<ルサルカ>の中からの#10。 皆さんもお月様に何かを質問したり、願ったりした事ってありますよね。 前奏を聴いただけでは違う曲だと思ってしまう#11。お分かりのようにオードリー・ヘップバーン主演の映画、 <ティファニーで朝食を>のテーマソングです。弦楽四重奏ヴァージョンとでも言いましょうか、素敵です。 アルバム最後の#12も前出のミュージカル<フィニアンの虹>からです。大変有名な曲ですが、 ここではよく演奏される軽くスウィングするのではなく、子守唄風に料理されています。良く眠れそう〜、 と思ったらシークレット・トラックが入ってました。目が覚めちゃったぁ〜〜〜。(笑) 如何でしたか?結構良い企画だと思いませんか?月に関する数々、と言ってもやっぱり「恋」に関する物が殆どでした。 月と恋心。切っても切れない感じですね。 アルバムの番号は、ENJ-9526 2(輸入盤) でエンヤ・レーベルから出ています。ジャズ・ヴォーカルのコーナーに行ってみて下さい。 2009.9.26
|