Hanjin

Raw Jazz


 2010年を迎えて日本の今年はどうなるのかなと心配している方も多いと思います。 そんな心配事を吹き飛ばすかのようなアルバムが発売されました。アジアでは超売れっ子、 マルチな才能を持つハンジンのヴォーカル・ソロ・アルバム<ロー・ジャズ>がそのアルバムです。

 ハンジンと聞いてもお分かりにならない方も多いのではないでしょうか?そう、 日本ではアジアン・ミュージックが好きでない限り殆ど知れ渡っていないのです。しかし、 日本を除く東南アジア各国では超売れっ子なんです。元々はシンガポールで生まれ育った彼ですが、 1998年に香港のアーチスト、ジャッキー・チュンに書いた<No Regrets> と言う曲でソングライターとしてデビューし、以降ソングライターとしてだけではなく、プロデューサー、 アレンジャーとしても手腕を発揮、2007年には、 ペプシのキャンペーンでクリスティーナ・アレギラと韓国のポップアイドル、 Rainとのコラボレーションで使われる曲をプロデュースするまでになったのです。そして昨年(2009年3 月) に今回紹介するアルバム<ロー・ジャズ>で、なんとジャズ・ヴォーカリスト、ハンジン(Hanjin) としてソロ・デビューしてしまったのです。
 新春に相応しく元気一杯のハンジンのヴォーカル。早速紹介していきましょう。

 軽やかなピアノとギターの伴奏に導かれて唄う#1。鼻唄風のなんともリラックスしたいい歌唱です。 香港やシンガポール、韓国で大ヒットした#2。勿論、ボッサ・ノーヴァを代表する曲なのは言うまでもありません。 とってもジャズしててウキウキする#3。体が動き出します。生演奏のスリル感が伝わる#4。 演奏陣もノリノリですね。ジェイソン・チェンのピアノが弾んでる#5。 エディー・ジェファーソンばりのスキャット唱法を披露する#6。ピアノとのデュオ#7。 空を飛んで静かに春の風景を眺めるかのようです。モダンな歌唱を披露する#8。 ヴァースからしっとり唄う#9。コルネットを真似したスキャットも素敵ですね。大人のムード満点な#10。 眼を閉じて聴いているとホント、うっとりしちゃいます。 アルバム最後の#11はこのコーナーで最近取り上げたマンハッタントランスファーのアルバムにも入っていた チック・コリアの曲。この曲に最初に詞を付け唄ったアル・ジャローにも負けていません。

 如何でしたか?とても素敵なアルバムでしたね。ハンジン本人にはちょっと失礼かもしれませんが、 ジャケットからは想像つかない歌声でした。声の幅も広く、テクニックもあり、 ジェイミー・カラムの様なエンターテインメント性も感じます。また、 このアルバムを聴いた方はお分かりでしょうが、このアルバムは全てがテイク・ワンで録音されています。 ライブ感覚で聴く事も出来るのがまた素晴らしいですね。
 アルバムの番号は、UPC859701407522でBBSレコードから出ています。今のところ輸入盤のみの発売になっています。 ジャズ・ヴォーカルのコーナーに行ってみて下さい。

2010.1.9