Charles Aznavour

charles Aznavour & The Clayton Hamilton JAZZ ORCHESTRA



 新春第二弾に紹介するアルバムは、フランスが誇る歌手、役者、作詞・作曲、 今年86歳になるシャルル・アズナヴールの新作、<シャルル・アズナヴール& ザ・クレイトン・ハミルトン・ジャズ・オーケストラ>です。
 シャルル・アズナヴールはこのコーナー4度目の登場(#2、#134、#197) ですのでもうお馴染みだと思います。先に<デュオ>というアルバムを発表し、 このコーナーでも紹介しましたが、それから1年も経たないうちに早くも新作が登場しました。 この新作はかつてのヒット曲をクレイトン&ハミルトン・ジャズ・オーケストラをバックに歌ったもので、 アメリカのジャズ歌手、ダイアン・リーヴスとラシェル・ファレルがゲストで参加しています。
 アズナヴールについては、もう何度か紹介しているのでそちらを参考にしていただくとして、 共演するアメリカのビッグ・バンド、「クレイトン&ハミルトン・ジャズ・オーケストラ」 について少し紹介したいと思います。
 1985年にべーシストのジョン・クレイトンとドラマーのジェフ・ハミルトン、アルトサックスの ジェフ・クレイトンの3人によって結成されたアメリカのジャズ・バンドで、日本でも<題名のない音楽会> に2004年に出ているので知っている方も多いと思います。今回紹介するこのアルバムの共演者、 シャルル・アズナヴールを初め、このコーナーでも紹介したことのあるジョン・ピッツァレッリ、 クイン・ラティファ、ダイアナ・クラール、グラディス・ナイト、ナタリー・コール、 それにマイケル・ヴーヴレなどなど、色々なヴォーカリストとの共演盤も数多くあります。 グラミー賞には7回もノミネートされ、 1度その栄冠に輝いています。今、世界で最も注目されている ビッグ・バンドだといえるでしょう。

 それでは紹介していきましょう。

 #1はスウィングしまくり乗りに乗っているアズナヴール。とても85歳当時の録音だとは思えませんね。 #2はゲスト・ヴォーカルにラシェル・ファレルを迎えて寄り添ったように歌います。 ゲイを扱った曲#3はオリジナルよりも少し早めに歌います。 編曲がサーカスを想わせて曲の主人公の気持ちを表していますね。名曲です。 ジャッキー・テラソンのピアノがジャズを感じる#4。哀愁を感じさせる#5。 ジャズに対する愛情がうかがえる#6。再びラシェル・フェレルを迎えて送る#7は英語で。 モダンな仕上がりの#8。ジャズ・クラブにいるようですね。タイトル通り即興演奏の様な#9。 ミュージシャンも楽しそうです。ストリングスが哀しみを助長する#10。 前奏から悲しいストーリーが想像できる#11。と思いきやモダンな伴奏に。その繰り返しが面白いですね。 ビッグバンドの魅力とストリングスが良く絡み合った#12。お洒落です。 ギルバート・キャステラーノのトランペットが効果を上げている#13。アルバム最後の#14は軽い ボッサ・ノーヴァのリズムに乗せて歌います。ゲスト・ヴォーカルは現在のジャズ・ヴォーカルをリードする ダイアン・リーブス。爽やかな終わり方でした。

 如何でしたか?何時までたっても元気なアズナヴール。何時までも歌ってもらいたいものです。
 アルバムの番号は、5099968565923 でEMIから出ています。今のところ輸入盤のみの発売です。 シャンソンのコーナーに行ってみて下さい。

2010.1.23