The December 2nd Quartet

STARS



 梅雨の季節ですが、今年は遅くなりそうな予想が出ています。その証拠に、ここの所晴天続き。 しかし、梅雨は直ぐそこまでやって来ています。そんな時は気分も憂鬱になりがちですね。 外にも出たくない気分の時には部屋でじっくり音楽を聴くのも良いかもしれません。
 雨がしとしと降る夜にピッタリのアルバムが今回紹介するザ・ディッセンバー・セカンド・カルテットの <スターズ>です。

 このカルテットは、前述の通りピアニストで歌手の(しかもウィーンの音楽学校の教授でもある) ディナ・ディ・ローズ、ベースのレイ・ドラモンド、ドラムのアキラ・タナを中心にトランペットと フリューゲルホーンのドミニク・ファリナッチを加えたカルテットにスペシャルゲストとしてピアノの ベニー・グリーンを迎えて今回は構成されています。今回はと言ったのは、前回、 このカルテットのアルバムにはテナー・サックス奏者が参加していたからです。

 夫々の略歴を書いていると大分長くなってしまいそうなので、ここでは省略させていただいて、 早速聴いていきましょう。

 最初の「ドリーム」というディナ・ディ・ローズの声を聴いた瞬間に、 このアルバムが傑作だと確信できる#1。スペシャル・ゲストのピアニスト、ベニー・グリーンと トランペットのドミニク・ファリナッチのデュオ#2。 ホーギー・カーマイケルの名曲にまた一つ名演奏がうまれました。タイトルにもなっている#3。 とてもオシャレな曲で軽いボッサのリズムが心地よさを助長します。 ビル・エヴァンス作曲の#4は絵画の名作を鑑賞しているような雰囲気で心が落ち着きます。 数年前に大分話題になったコリーヌ・ベイリー・レイの作品#5。アレンジの良さが際立ちます。 カルテットとしての魅力を余すところなく伝える#6。 レイ・ドラモンドのアコースティック・ベースがいい味を出してますね。 スローなチャチャチャのリズムが夢の世界へ導いてくれる#7。力強さを感じる#8。 #8を聴いた後に力が抜けて気持ち良い#9。曲の配分構成も抜群ですね。ディズニーのアニメ<ピノキオ> でコオロギが唄った#10。ベニーのピアノに合わせてディナが歌手に徹して唄っています。 しっとりとして最高のデュオになりました。 アルバム最後の#12はミシェル・ルグランがバーグマン夫妻と映画<ハッピー・エンディング> ののために作った主題歌。多くの歌手や演奏家が取り上げています。スローな展開をする演奏が多い中、 このカルテットはミディアム・テンポでちょっと複雑なこの曲を料理していきます。

 如何でしたか?本当に素晴らしかったですね。私は、早くも今年No.1にあげたいと思っています。 梅雨時期、部屋でグラスを傾け、ちょっとヴォリュームを大きくしながらじっくり聴くのがピッタリな、 そんなアルバムでした。
 アルバムの番号は、ARTー7001でスターズ・ミュージックから出ています。 ジャズかジャズ・ヴォーカルのコーナーに行ってみて下さい。


2010.6.6