やもり

あなたと歌おう



 今回紹介するアルバムは、森山良子と矢野顕子で作った新ユニット、<やもり>のデビュー・アルバム <あなたと歌おう>です。

 いや〜、凄いユニットが誕生したものです。一見というか、一聴、 まるで水と油の感がある森山良子と矢野顕子。その二人がユニット<やもり>を結成したのですからね。 驚き以外の何者でもありません。大人のフォークソングを歌うという触れ込みで出来上がったアルバム <あなたと歌おう>。聴く前から興味津々でした。が、聴いていると懐かしい中にも新しさがあってとても新鮮。 筆者はこのユニットのコンサートにも行ってきましたが、もう「素晴らしい!」のひと言につきました。

 森山良子や矢野顕子については今更説明するまでもありません。早速アルバムを紹介していきましょう。

 森山良子作詞、矢野顕子作曲の#1。懐かしいフォークソングの匂いがしてきました。語りで入っていく#2。 ちょっとアバンギャルドで素敵です。ジョーン・バエズと共に女性フォーク・シンガー の草分け的な存在なジョニ・ミッチェル。彼女の代表作#3。 二人のハーモニーが不協和音の様に聴こえるのも面白いです。岡林信康の作品#4。詩が本当に素敵です。 CMでもお馴染みの#5。楽しくなりますね。アカペラで歌う#6。 矢野顕子のお化けの様な独特の声の揺れがいいですね。前奏を聴いただけでは分からなかった#7。 吉田拓郎の大ヒット曲でした。当然ですが、歌い手が変るとこうも曲のイメージが違うのかと改めて感じます。 矢野顕子作詞、作曲の#8。前半は二人で交互に歌いますが、やっぱりご本人の歌が合っています。 先ほども言いましたが、このユニットは結成後、コンサートを大阪、名古屋、東京で行ないましたが、 東京では新国立劇場のコンサート・ホール、通称タケミツ・メモリアルというホールで行ないました。 そのホールの名前にもなっている武満徹の作曲、谷川俊太郎の作詞でかつては多くの歌手が歌った#9。 詩、曲とも自分の世代には今でもズキン!ときます。若い世代には是非聴いてもらいたい一曲です。 直ぐにでも温泉に行きたくなってしまう#10。心弾みます。ドヴォル・ザーク (最近はドヴォル・ジャークとも)の交響曲に詞を付けた#11。誰もが学校の音楽の授業で習いました。 矢野顕子作詞、作曲の#12。前を向いて歩いていく姿勢が感じられて勇気が湧いてきます。 アルバム最後の#13は森山良子の作詞、作曲です。これも明日への希望を歌った歌で、 歌声喫茶で皆で歌えそうな、そんな歌ですね。

 如何でしたか?「大人のフォークソング」という言葉がピッタリでしたね。 幾つになっても前を向いて歩いていく。そんな姿勢が大切なんだと教えられた気もするアルバムでした。
 アルバムの番号は、YCCW-10116でヤマハミュージックコミュニケーションズからでています。 J-POP、森山良子、矢野顕子のコーナーに行ってみて下さい。

2010.8.29