Jessye Norman

Sings Michel Legrand



ジェシー・ノーマンと言えば当代最高のソプラノですが、彼女がジャズ ・ピアニストであり、作曲家であるミシェル・ルグランの曲を大変素敵に 歌ったアルバムを春風と伴に届けてくれました。今回はそのアルバムを紹 介しましょう。
アルバムのジャケットを見てエッ?て思った人が、さて何人いるでしょ うか?以前のとても大がらな彼女の面影は何処へやら。大変スリムになっ ての登場です。髪の毛もストレートにして随分とイメージが変りました。 しかし、その歌声は相変わらず素敵で神の声に聞こえます。
それではアルバムの紹介に入りましょう。

ミシェル・ルグランのピアノに導かれて唄い出す#1は、映画<想い出 の夏>の主題歌です。もう何人もの人がカヴァーしているのでお分りです ね。ルグランのジャズ・ピアニストとしての本領が発揮される#2。昼下 がりの街のカフェでちょっとコーヒーでも飲んでいる時に流れていると、 思わず時の経つのを忘れてしまいそうな#3。映画<ハッピー・エンディ ング>の中で使われていた#4。アランとマリリン・バーグマン夫妻のセ ンスの良い歌詞が胸に残りますね。#5も映画の主題歌でかつてサラ・ヴ ォーンも取り上げていたちょっと不思議な魅力のある曲です。#6も映画 の主題歌。単純な旋律の繰返しがかえって心に残る#7。ピアノとのデュ オで贈る#8。これもまたピアノとのデュオで孤高に唄い上げる#9。
映画<トーマス・クラウン・アフェアー>の主題歌#10。日本では< 風のささやき>という題名で有名です。これも今やスタンダードになりつ つある名曲#11。英語のタイトルでは<遠い夏の日>の意味ですが、フ ランス語では、<リラのワルツ>っていう意味なんですね。何か共通点で もあるのでしょうか?そんな曲#12。ピアノとのデュオでドラマチック に唄い上げる#13。この曲を聞く度に涙が流れてくるのですが、みなさ んもご覧になった事がきっとあると思います。カトリーヌ・ドゥヌーブが とっても初々しかった<シェルブールの雨傘>の主題歌#14。映画の1 シーンが浮かんできますね。そして最後の#15はアランとマリリン・バ ーグマン夫妻の詩がこれまた素晴らしいので、詩を聞きながらじっくり聴 いて下さいね。
如何でしたか?このアルバムはジェシーの歌唱は勿論の事、バック・ミ ュージシャンがとても素晴らしい伴奏をしています。それもそのはず、ピ アノは作曲家自身のミシェル・ルグラン。ドラムにグラディー・テイト。 彼は自身のアルバムで#10を唄ってます。とても渋くてこちらもお薦め ですよ。そしてベースにはロン・カーターとなんて豪華なメンバーなんで しょう。
クラッシクの歌手がポピュラーを唄うと、どうもその唄い方が気になっ て馴染めない人っていると思うのですが、このアルバムは以外にす〜と解 け込んできます。どうぞ、聴いてみて下さい。


CDナンバーは PHILIPSの456 654ー2 です。

なお国内盤が4月26日に発売予定です。こちらのナンバーはPHCP-11193 です。どちらもクラシック売場でお捜し下さい。なお、国内盤のタイトル は<おもいでの夏〜ジェシー・ノーマンmeetsミシェル・ルグラン >となります。