JEAN FRYE SIDWELL

Portrait vol.1



 今年に入ってから本当に寒い日が続いています。そんな日は、あまり外に出たくないもの。 コーヒーや紅茶を飲みながら部屋でゆっくりしたいですよね。そこで、今回お勧めするのがデンマークの歌姫、 シーネ・エイのニュー・アルバム<ドント・ビー・ソー・ブルー>です。

 ここ数年、北欧の歌姫が脚光を浴びていますが、 その中でもこのシーネ・エイは抜群の才能を発揮している歌手の一人です。 1977年生まれの彼女についてはあまり分かりませんが、デビューが2003年であること、 ラーシュ・ヤンソンなど北欧の有名ピアニストと共演が多いこと、2003年に初来日以来、 数回来日してライヴを行なっている事、 2008年にはデンマークのジャズ・オブ・ジ・イヤーに輝いている事などから考えると、 相当有名な中堅ジャズ歌手という事になるようです。 彼女は今までにクリスマスアルバムとこのアルバムを含めて7枚のアルバムを発表しています。 今回紹介するアルバムは、ピアニストの、 ヤコブ・クリストファーゼンのトリオをバックにスウェーデンのスタジオで録音されたものです。

 それでは、早速紹介していきましょう。

 タイトル曲の#1。一面の銀世界が瞼の中に浮かびます。彼女の作詞・作曲ですが、とても素敵な曲ですね。 ピアノのヤコブ・クリストファーゼンのプレイも光ります。#2は一転してアップテンポ。 リサ・フリーマンの詞に彼女が曲をつけました。演奏陣もご機嫌ですね。#3も彼女のオリジナル。 アレンジがちょっと前衛的で恰好いいですね。彼女のアルトの声が眠りに誘う#4。 ゴードン・ジェンキンスが作った名曲#5。押さえ気味にしっとりと唄う彼女の表現が素敵です。 再びリサ・フリーマンとのコンビで作った#6。演奏も歌もジャズってます。 一聴すると演奏と歌が違って聞こえる#7。面白いアレンジですね。静寂が空気を包む#8。 ふ〜っとため息をもらしそうな冷たい空気が流れます。 #7と同じく#9はミュージカル<サウンド・オブ・ミュージック>からの曲。変調3拍子でとっても新鮮。 このアルバムのハイライトでしょう。 アルバム最後の#10はバンドのメンバーもコーラスに加わって華を添えています。

 如何でしたか?とっても落ち着いた気持ちになりましたね。アルバムの番号は、 RDM 010でreddot musicから出ています。ジャズ・ヴォーカルのコーナーに行ってみて下さい。

2011.1.23