PINKY WINTERS

WINTERS IN SUMMER



 桜も満開になって春も満開です。今回紹介するアルバムは、今年80歳、 まだまだ現役で6月にも再び日本を訪れてツアーをするピンキー・ウィンターズの新譜、 <ウィンターズ・イン・サマー>です。今回のアルバムは、 彼女が切望していたボッサ・ノヴァ・アルバムです。 それが分かるとタイトルがとってもお洒落なのが分かりますね。

 ピンキー・ウィンターズについてはこのコーナー#85で紹介したいますのでそちらを参考にしていただくとして、早速紹介していきましょう。  

 軽いサンバのリズムで快調に始まる#1。 これはボッサ・ノヴァの曲ではありませんがブラジルの雰囲気をしっかり伝えていますね。彼女、とても 80歳の歌声じゃありませんね。素敵です。#2はコール・ポーター作詞作曲のスタンダード。 ボッサのリズムで心地よいナンバーに仕上がりました。#3でやっとボッサ・ノヴァの曲が出てきましたね。 アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲です。こちらはボッサ調を押さえてジャズアレンジが施されています。 ジム・コックスのピアノ伴奏で送る#4。今でもヒット曲を飛ばすセルジオ・メンデスの作品です。 サラ・ヴォーン他、多くの歌手が取り上げています。しっとりとして落ち着きます。 サンバが最高!と唄う#5。ポルトガル語で唄っています。 ピート・クリストリーブのテナーがまたいい所で歌いますね。これも多くの歌手が取り上げる#6。 ミディアム・ボッサのリズムとオルガン、ギターの音色が南国にいるかのような錯覚を与えてくれますね。 1980年という比較的新しいボッサ・ノヴァ、#7。イヴァン・リンスの代表作ですが、 英語詞はポール・ウィリアムズが書きました。ゆったりした気分になれますね。 聴き終わってため息が出てきます。リズムががらっと変る#8はお馴染みの曲。 ボッサ・ノヴァ初期の名曲ですね。#9も多くのジャズ歌手に取り上げられている有名曲です。 ここでもピートのテナーが冴え渡ってます。どっぷりとボッサ・ノーヴァの世界に浸ってしまったという感じです。 夕陽が沈む光景が浮かぶ#10。多くの歌手が取り上げている訳ではありませんが、 隠れた名曲という言葉がピッタリの美しい曲です。ギターのゆっくりとした伴奏で始まる#11。 それから軽くスウィングするボッサのメロディー。身体も動いてしまいますね。 アントニオ・カルロス・ジョビンの代表曲の一つ#12。 アメリカではトニー・ベネットの歌でヒットしましたね。オリジナルのアルバムはここで終了しますが、 ピンキーが愛して止まない日本に向けてのボーナス・トラックがミディアム・テンポでノリのいい#12。 ボッサ・ノヴァの曲ではありませんが、トロピカルな感じが何処としますね。

 如何でしたか?とても素敵で明るくなる感じがしましたね。ピンキー・ウィンターズ。 とても80歳だとは思えません。アルバムの番号は、 XQAM-1518でSSJ (シナトラ・ソサイアティー・ジャパン〜フランク・シナトラ・公認ファンクラブ)から発売されています。 ジャズ・ボーカルのコーナーに行ってみて下さい。
 彼女の今年、2011年の日本ツアーは6月3日の東京から始まります。 生の歌声を聴きたい人は是非ライヴに行ってみては如何でしょう。 きっと素敵な一夜を過ごせると思います。

2011.4.10