DIONNE WARWICK

ONLY TRUST YOUR HEART



 みなさん、連休明けは如何お過ごしでしょうか?ちょっとホッとした気分になりたいものですね。 そんな時にピッタリなアルバムを紹介しましょう。大歌手、ディオンヌ・ワーウィックの新作 <オンリー・トラスト・ユア・ハート>がそのアルバムです。

 何を今更?と思った方も多いのではないでしょうか。ディオンヌですからね。しかし、この新作は、 かつてのディオンヌのイメージを払拭するくらいの出来なのです。 ヒット作が無くなったから暫く経ちますから若い方の中にはディオンヌ・ワーウィック を知らない方も多いかもしれませんね。そこで簡単に彼女を紹介してみましょう。

 1940年にアメリカのニュージャージー州で彼女は生を授かりました。 ハートフォード音楽大学に進んだ彼女はニュー・ヨークでコーラスなどのアルバイトをしていましたが、 そこでバート・バカラックと知り合った彼女は1963年にデビューします。翌年、 <ウォーク・オン・バイ>がスマッシュ・ヒット。 以降バカラックとハル・デイビッドのコンビによる作品を歌ってヒット曲を連発します。 1974年にはスピナーズと共演した<ゼン・ケイム・ユー>が初の全米No.1を獲得します。 その後ヒット曲に恵まれませんでしたが、1979年にバリー・マニローのプロデュースを得てアリスタ・ レコードから出した<涙の分れ道>がヒットし再び彼女の時代が訪れます。 その後もヒット曲を連発しますが、1990年代以降は話題に上る事は少なくなっていました。しかし、 アルバムは発表し続け、コンサートもコンスタントに行なってきていました。 2008年には彼女の姉妹でその年に亡くなってしまうディー・ディー・ワーウィックをフューチャーした ゴスペル・アルバムを発表。今回紹介するアルバムは、それに続くものです。既に数十枚のアルバムを発表、 1972年以来来日も多く、この6月には2009年に続く来日をする予定で、 ブルー・ノート・東京という小さな空間でのライヴを行なう事になっています。

 それでは紹介していきましょう。

 爽やかな、という言葉がピッタリの#1。リゾート気分が味わえます。 ビッグ・バンドをバックに豪華に送る#2と#11。打って変わって#3はしっとりと。 感情たっぷり入ってます。軽くスウィングする#4、#9。高級クラブで聴いているような気分になる#5。 ストリングスが優雅さを演出している#6。お酒が美味しく呑めそうな#7。 音楽に合わせて身体も揺れます。言葉を噛み締めながら唄っている#8。 多くの歌手がカヴァーしている#10。ディオンヌも良い味を出していますね。 ゆったりと時間が流れる#12。いいですね〜。アルバム最後の#13は、このアルバムを聴いた人、 皆が感じるであろうタイトルです。そんなミラクルたくさんのアルバムですね、このアルバムは。

 如何でしたか?映画音楽やミュージカルがお好きな方は気づかれた事と思いますが、 このアルバムは、サミー・カーンの作品集のように作られています。 今までのディオンヌとは全く違ったアプローチで作ったアルバムでした。 70歳を越えて円熟したディオンヌのこれからの活躍が益々楽しみになってきたしたね。 アルバムの番号は、MPCA-25732 でMPCAレコードから出ています。ヴォーカル、ポップス、 R&Bのコーナーに行ってみて下さい。
 なお、今年2011年の来日公演は、ブルー・ノート・東京で6月2日〜4日まで行なわれます。 お時間のある方は是非行ってみて下さいね。ジャズ・クラブで大人の時間が過ごせる事請合います。

2011.5.15