BARRY MANILOW

DUETS



 今年の梅雨入は早く、連動したかのように明けるのも早かったですね。 もう茹だるような暑さが続いています。 こんな時には冷房の効いた部屋でゆっくり音楽でも聴きたいものです。 そんなあなたにピッタリのアルバムを紹介しましょう。アメリカのショービジネス界の大スター、 バリー・マニロウが、かつてアルバムでデュエットした物を集めたアルバム、<デュエッツ>です。

 バリー・マニロウについてはもう何も言う必要がないでしょう。しかし、 若い方の中には知らない人もいるかもしれません。そこで、ちょっと彼を紹介してみたいと思います。

 1943年6月17日ニュー・ヨークのブルックリン生まれの彼は幼い頃から楽器に親しみ、 ジュリアード音楽院に進みます。1960年代から CMの曲を制作、そして歌っていた彼は、 1970年、ベット・ミドラーと出会います。彼女とのと共同プロデュースで2枚のアルバムを制作、 プロデューサーとしての活動をスタートさせます。そして1973年、彼自身がデビュー・アルバムを発表。 その後も順調にアルバムを発表し、<哀しみのマンデイ>、<歌の贈り物>などのヒット曲を送り出します。 1973年には<コパカバーナ>でグラミー賞を獲得。 そのほかにもアメリカン・ミュージック・アワード、エミー賞などを獲得し、その地位を確立していきます。 その後、プロデューサーとしてディオンヌ・ワーウィック、 ローズマリー・クルーニーなどのアルバムを制作。それらもヒットさせます。 1983年には初来日。 2005年から4年に渡って行なったラスベガス・ヒルトンでのショーは大ヒットを記録し、 昨年(2010年)3月からはパリス・ラスベガスでの長期公演をスタートさせました。 今や、アメリカ・ショービジネス界には欠かせない存在として君臨しています。


 それでは、アルバムを紹介していきましょう。

 このアルバム唯一の新録#1。 デュエットしているのは1980年代にヒット曲を連発していたメリサ・マンチェスターです。 彼女の歌声が聴けただけでも嬉しい方は沢山いるのではないでしょうか? キャロル・キング&ジェームス・テイラー、ロバータ・フラック&ダニー・ハザウェイ、 そしてこのバリーとメリサのデュオも名唱のひとつになりそうです。ラテンのリズムでご機嫌な#2。 キッド・クレオール&ザ・ココナッツとの共演です。デブラ・バイヤードとの#3は、 アンデルセン童話を基にしたアニメ映画<サンべリーナ>から。素敵な曲ですね。 コーラスの楽しさを教えてくれる#4。今でも活躍しているブロードウェイの大スター、 バーバラ・クックとのデュエット#5は、1947年のミュージカル<フィニアンの虹>から。 ホッとしますね。カントリー界の大スター、リーバ・マックエンタイアーと楽しく歌う#6。 未だにバリー最高傑作と言われている<パラダイス・カッフェ・午前2時>。 その中からメル・トーメとのデュオ#7。夜の雰囲気いっぱいですね。 バリーのプロデュースで世に出たベット・ミドラー。彼女との#8は懐かしいフランク・レッサーの曲。 掛け合いが楽しそうですね。ディオンヌ・ワーウィックの第二次黄金期をプロデュースしたのもバリーでした。 そのディオンヌとのデュエット#9は、もう25年以上前の彼女のアルバムから。いい時代でした。 つい先頃ニュー・アルバムを発表したばかりのダイアン・シューア。彼女とのデュエット#10は、 ガーシュウィンの大傑作フォーク・オペラ<ポギーとベス>から。 ダイアン・シューアのフレイジングが素晴らしいですね。フィリス・マクギアーとの#11。 いい時代が甦った様ですね。前出のアルバム、<パラダイス・カフェ・午前2時>で特に光っていた#12。 サラ・ヴォーンとの素敵な一夜。本当に素敵です。こんな雰囲気は中々味わえませんよね。 蝋人形の様な化粧が話題になったシーナ・イーストン。彼女との#13。スケールの大きさを感じますね。 アメリカショービズ界の女王、バーブラ・ストライザンド。大物同士のデュオ#14。 これはバーブラのアルバム<デュエッツ>から。 「流石」という言葉以外に当てはまる言葉が見当たりません。アルバム最後の#15は、 女優のリリー・トムリンとの共演です。ノリノリでアルバムは終わります。

 如何でしたか?とても素敵なアルバムでした。 アルバムの番号は、88697 82093 2 でアリスタ・レーベルから出ています。 ロック&ポップのコーナーに行ってみて下さい。

2011.7.17