CHARLIE HADEN QUARYET WEST

Sophisticated Ladies



 秋も深まって段々冬に向かっていく晩秋。温かい飲み物を飲みたくなる季節になりました。
 そんな時、こんなアルバムがかかっていたら、きっと気持ちもホッとする事でしょう。今回紹介するアルバム、 ベーシストのチャーリー・ヘイデンが今を轟く女性ボーカリストを迎えて贈る、 <ソフィスティケイティッド・レイディーズ>はそんなアルバムです。

 ベーシストのチャーリー・ヘイデンを知っている方はジャズ好きを除いてはあまりいないかもしれません。 そこで、少し彼を紹介したいと思います。

 1938年、アメリカのアイオワ州生まれの彼は、幼いときからベースに親しみ、 10代前半でロス・アンジェルスにてアート・ペッパーなどの大物と共演を重ね、 20代前半にはオーネット・コールマンのカルテットに参加し、 さらには30代になるとキース・ジャレットのカルテットにも参加します。 更に同時期に政治的なテーマを持って活動するオーケストラ、 <リベレーション・ミュージック・オーケストラ>をピアノの奇才、カーラ・ブレイと結成、話題になります。 そして1987年、ピアニストのアラン・ブロードベントらとこのアルバムの名義でもある <チャーリー・ヘイデン・カルテット・ウエスト>を結成し、今に至っています。 結成してからもパット・メセニーとのアルバムが話題になるなど活躍は留まるところを知らず、 2000年にはグラミー賞も受賞しています。今回のアルバムは、今年(2011年)3月に発売になったもので、 新しいドラマーのロドニー・グリーンを迎えたカルテットが中心になって、 当代の人気女性ヴォーカリストを加えて作った素敵なアルバムです。
 
 それでは、早速紹介していきましょう。

 昨年のデビュー・アルバムで注目されたメロディー・ガルドーをフューチャーした#1。 バックのストリングスが夜の世界へと誘います。 アーニー・ワッツのテナーとアラン・ブロードベントのピアノが上手く絡み合って素敵な#2。 ノラ・ジョーンズが大人の雰囲気で迫る#3。スウィングしてご機嫌な#4。 打って変わってカサンドラ・ウィルソンを迎えた#5はぐ〜っと深夜のバーで飲んでいる感じでお酒が美味しくなりそうです。 アラン・ブロードベントのピアノが光る#6。こちらもラウンジでお酒を飲みたくなりますね。 チャーリー・ヘイデンの奥方、ルース・キャメロンをヴォーカルに迎えた#7。 それほど上手い歌手とは思えませんが、雰囲気は抜群です。益々深夜の世界へ引き込んでいく#8。 ルネ・フレミングと言ってもクラシック界、ソプラノの彼女ではありません。 ヘレン・メリル張りのハスキーな声で迫ってくる#9。このアルバムの主役、 チャーリー・ヘイデンのベースが正に主役の#10。ダイアナ・クラールが色気ムンムンで迫ってきそうな#11。 今までのダイアナ・クラールのイメージを持っている方にはちょっとショックかもしれません。 それほど色気ムンムンです。アルバムの最後#12は、グルーヴィー。こんなに格好良くアルバムを終わるなんて、 チャーリー、あなたは本当にグルーヴィー!ですよ。

 如何でしたか?本当にお酒にはぴったり。夜の大人の世界へ誘ってくれるアルバムでした。アルバムの番号は、 0602527508160でemarcyレーベル、ユニヴァーサルから発売されています。ジャズ、 またはジャズ・ヴォーカルのコーナーに行ってみて下さい。

2011.11.27