Joe Barbieri

RESPIRO



 梅雨も後半に入り、蒸し暑い日が続いています。 こんな時にはエアコンの効いた部屋でゆっくり音楽なんか聴いて過ごしたいものですね。 そんな時にピッタリなのが今回紹介するジョー・バルビエリの新作、 <静かに、息をするように>です。

 ジョー・バルビエリはこのコーナー2回目の登場です。 前回紹介したのが丁度3年前の2009年7月。このコーナー#205でした。 彼についてはその時の紹介文を参考にしていただくとして早速紹介していきましょう。

 ジョーの何とも言えない気怠い雰囲気に染まってしまいそうな#1。 彼の世界に早くも引き込まれてしまいます。ギターを片手に曲を作っていくように語る#2。 途中で入ってくるストリングスが彼の世界を膨らまします。一転してウキウキする#3。 話の内容は結構深刻で曲調とは全く違います。こんな所がまたイタリア人故なのでしょうか。 #4はその全く逆で詩の内容と曲調がマッチしています。これでもか、 というほど落ち込みそうですが、ストリングスがその気持ちを和らげてくれてます。 美しい曲ですね。ソフトロックで気持ちを歌い上げる#5。 前奏を聴いただけでセンチメンタルな内容が想像できる#6。 頼りない声が情景を浮かび上がらせる#7。 ジャンマリア・テスタをゲストヴォーカルに迎えてミロンガを唄う#8。 詩がとても素晴らしい#9。バックで囁く様に聴こえる歌声は、 アカデミー賞受賞のウルグアイのシンガー・ソングライター、ホルヘ・ドレクスレルです。 前向きな気持ちが軽快なリズムからも良く分かる#10。 スローなタンゴにのせて綴る失恋の唄#11。ちょっと女々しいのですがね・・・。 ここでオリジナルのアルバムは終わります。続く#12は、日本盤のボーナス・トラックです。 いずみたく作曲、永六輔作詞、坂本九歌で大ヒットしたこの曲を、 彼は東日本大震災からの復興を願って録音したとライナー・ノーツには書かれています。 素敵なトラックになりました。

 如何でしたか?このアルバムの原題<RESPIRO>は、日本語では<休息>を意味します。 まさしくそんなアルバムでしたね。心も体も休まります。アルバムの番号は、 YMCP10023-1でヤマハミュージックアンドビジュアルズから出ています。 ワールド・ミュージックのコーナーに行って頂くか、通信販売でお求めください。


2012.7.15