Lincoln Briney

Lincoln Briney's Party!



 今年は残暑が厳しくて秋が待ち遠しいですね。でも、秋はすぐそこまで来ています。 そんな秋にピッタリなアルバムを紹介しましょう。リンカーン・ブライニーの <リンカーン・ブライニーズ・パーティー!>です。

 リンカーン・ブライニーと言っても知らない方が大半を占めるでしょうね。そこで少し彼を紹介してみましょう。

 1964年、アメリカのカリフォルニア州のユーレカという港町で生まれた彼は、コーラス・グループ、 ハイ・ローズとレコーディングの為だけに結成されたコーラス・グループ、シンガーズ・アンリミテッドに影響を受けて、 大学でジャズ系のコーラス・グループに所属します。卒業後、シアトルでCMソングの仕事をしていましたが、1999年、 ニュー・ヨークに移って本格的な音楽活動を開始します。その後、カルフォルニアのナパに移住して、 マーク・マーフィーやマンハッタン・トランスファーのジャニス・シーゲル、ボビー・マクファーリンの コンサート・ツアーやレコーディングに参加、2006年には初のソロ・アルバム<Foreign Affair>を発表。 地味ながら一部の音楽ファンに注目され、今回5年ぶりにセカンド・アルバムを発表したのです。

 今回のアルバムは、昨年の夏、ホーム・パーティーでリラックス・ムードの中録音された<パーティー・サイド #1〜#7>と、一昨年シアトルのジャズクラブで行なわれたチェット・ベイカーのトリビュート・ライヴ に出演した時の模様を収めた<チェット・サイド#8〜#13>で構成されています。 勿論CDですからレコードの様に裏返す必要もありませんし、通して聴いていても違和感がありません。

 それでは、紹介していきましょう。

 軽快なボッサのリズムで始まる#1。ホーム・パーティーのリラックスさが伝わってくる#2。 ギターとのデュオでしっとり唄う#3。歌の内容を考えると男性の歌なのですが、 今まであまり男性歌手では聴いたことが無かった#4。因みに私は初めて男性で聴きました。 久々に聴いてもやっぱりいい歌だなと感じる#5。B.J.トーマスの大ヒット曲です。 作詞したハル・デイヴィッドは先日亡くなってしまいましたが、 作曲のバート・バカラックは先日来日して元気なところを見せていましたね。チェット・ベイカーとも シナトラとも違う素敵なアプローチで唄う#6。パーティー・サイドの最後#7は、 正にパーティーが終わった後の歌です。何となく淋しげな雰囲気が伝わってきますね。 チェット・サイドに移って初めの曲#8。あたかもチェット・ベイカー登場の雰囲気で会場も大盛り上がりです。 このライヴ会場にいるような感じがします。詞の内容は明るいのに曲がそうでもないのが却って良かったかもしれない#9。 ピアノをバックにしっとり唄う#10。軽いボッサでリラックス・ムードが響きわたる#11。 恋が終わってしまった淋しい気分を上手く表現した#12。アルバム最後の#13。これはもう皆さんお馴染みですね。 チェット・ベイカーと言えばこれ。バースから丁寧に唄っています。当然会場は拍手の嵐。 こんな雰囲気のライヴは久しく聴いてないかもしれません。

 如何でしたか?秋にピッタリでしたね。こんな音楽を聴いてお酒でも飲んだらさぞ美味しいに違いありません。 アルバムの番号は、MZCF1242でMUZAKから発売されています。ジャズ・ヴォーカルのコーナーに行って頂くか、 アマゾンなど通信販売でお求め下さい。


2012.9.18