Art Garfunkel

the singer



 暑さ寒さも彼岸まで、とは良く言ったものです。 あれだけ暑さが続いた初秋も彼岸を境に一気に深まってきた感じがします。 そんな季節にピッタリなアルバムが届きました。といっても、今回紹介するのはベスト盤。しかし、 このアルバムは私たちに至福の時を与えてくれるのです。元サイモン&ガーファンクルの一人、 アート・ガーファンクルの2枚組ベスト盤、<ザ・シンガー>です。

 アート・ガーファンクルについてはこのコーナー#159を参考にしていただくとして、早速紹介したいと思います。

 まずはDisc-1から。発表されてから40年以上経ちますが、今だに歌い繋がれている#1。正に名曲です。 優しさに包まれる#2。作者のジェームス・テイラーと唄う#5。色々な人がカヴァーしている#6。しかし、 こんなに優しく唄っている人を私は彼以外に知りません。 まるでプールに浮かべたマットの上で暖かい陽射しを浴びてのんびりしている様でもありますね。 つい先日亡くなったハル・デイヴィッド。彼が作詞した#7。ルイ・アームストロング など多くの歌手が歌った歌と同名異曲の#8。こちらは少し軽やかですね。 当時色違いのジャケットが話題になったアルバムの中に入っていた#9。 この曲が作られた1950年代の雰囲気がとてもよく出ている#10。 ニッキ-・ホプキンスのピアノとのデュオ、#11。#12を初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れません。 小学校6年生の時でした。今でもその美しさに圧倒されてしまいます。 このアルバムの為に作られた2曲の内の1曲である#16。 1枚目の終わり#17は昔から歌われてきた歌を彼自身がアレンジしたもの。心が洗われる感じがしませんか?
 さて、Disc-2にいきましょう。
 静寂の中で始まる#1。ポール・サイモンとのライヴステージからの音源です。 このアルバムのために作られたもう一つの曲#2。大ヒットした#3。今聴いても素敵な曲だと思います。 サイモン&ガーファンクルと言ったらこの曲という人が殆どの#4。グラハム・ナッシュと デヴィッド・クロスビーが共演している#5。とても豪華な共演です。 アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲をカヴァーした#7。ロンドン交響楽団、キングス・カレッジのクワイヤー、 そしてエイミー・グラントというこれもまた豪華な共演をしている#8。クリスマス・シーズンにピッタリですね。 惜しくも数年前に亡くなってしまったケニー・ランキン。このコーナーでも紹介した事がありますが、 彼との共演#9。心休まる二人の声。ホッとします。後半に聴こえるコーラスが本当に素敵な#10。 クリスマス・ソングの#12。彼のアルバム<シザーズ・カット>の中にはとても素敵な曲が沢山入っていました。 この#13もその内のひとつ。懐かしいあの頃を想い出してしまいます。ミュージカル<マイ・フェア・レイディー> の中の一曲#14。全く違ったガーファンクル流の調理方法がまた素敵です。 ソウルの名曲もこんなに変わってしまう#16。同じ曲とは思えませんね。そしてアルバム最後の#17は、 これもアルバム<シザーズ・カット>から。 地味ですがこの曲を最後に選んだガーファンクルの心情が分かるような気がします。

 如何でしたか?とても素敵なベスト盤でしたね。心が洗われる気がしたのではないでしょうか?アルバムの番号は、 88725458162(輸入盤)でコロンビアから出ています。国内盤も発売になりますのでそちらもどうぞ。 ロック&ポップのコーナーに行くか、通信販売などでお求めください。

2012.10.15