SUSAN BOYLE

STANDING OVATION



 今年は夏が長く秋が短く、そして冬が始まったと思ったら急に真冬並みになり、 とうとう年末を迎えます。年の終わりのイヴェントと言えばクリスマスですね。 そんなクリスマスにピッタリなアルバムが有ります。クリスマス・ギフトにもピッタリなアルバム、 スーザン・ボイルの<スタンディング・オヴェーション>です。

 スーザン・ボイル。もう説明しなくてもお分かりですね。そう、 あの一夜にしてスターとなったあのスーザン・ボイルです。1961年、 スコットランドのエジンバラ近郊で生まれた彼女は、2009年4月、イギリスのタレント発掘番組 <ブリテンズ・ゴット・タレント>に出演。その外見とはかけ離れた抜群の歌唱力で審査員は勿論、 観客を興奮の渦に巻き込みました。決勝では2位となったものの、その年の11月にはデビュー・アルバムを発売し、 世界的に大ヒットを記録します。今回発売された彼女4枚目のアルバム、<スタンディング・オヴェーション>は、 数あるミュージカルの中から選ばれた素敵な曲が集められています。 彼女が先の番組で歌ったのもミュージカル<キャッツ>や今月映画化され公開される <レ・ミゼラブル>の中で歌われた曲でしたね。とてもリラックスして歌っている彼女のニュー・アルバム <スタンディング・オヴェーション>。早速紹介していきましょう。

 爽やかなオーケストラの調べと共に始まるジュディー・ガーランド主演の映画、<オズの魔法使い>からの#1。 前半の抑え気味な歌唱が後半のドラマチックな歌唱を引き立てています。オープニングを飾るのに相応しいですね。 #2は アバ の曲を使って詞もそのままにミュージカルにした<マンマ・ミーヤ>から。 スケールの大きな曲に仕上がっています。ベイルマンの映画、 <夏の夜は三たび微笑む>を基にソンドハイムがミュージカル化した<リトル・ナイト・ミュージック>。 その中でも多くの歌手が取り上げている#3。ミュージカル<オペラ座の怪人>の初代オペラ座の怪人役、 マイケル・クロフォードと唄う#4。どうぞ彼女の顔を浮かべないで聴いて下さい。冗談ですよ。 今月映画版が公開される<レ・ミゼラブル>。その中の曲#5。 オーケストラの豊かな調べが映画を見ているかの様な錯覚を与えますね。 彼女がブリテンズ・ゴット・タレントの準決勝で歌った#6。その時よりも彼女の歌は数段進歩が見られます。 歌詞に物語が見えるんです。半世紀前のミュージカル<オリバー>。 イギリス発のミュージカルでは初めてブロードウェイでヒットした作品ですが、 その中でも多くの歌手が取り上げてる#7。素敵です。再びミュージカル<オペラ座の怪人>から#8。 このトラックの怪人は、嘗て、オズモンド・ブラザーズというイギリス版ジャンクソン5みたいな兄弟グループでアイドルだった末弟、 ダニー・オズモンドが務めています。映画の大ヒットを得てTVシリーズも作られた<フェーム>。 今、TVでは<グリー>がヒットしていますが、その原型といっても過言ではないと思う<フェーム>。 その中で主役の一人、アイリーン・キャラが歌った曲がこの#9です。 よくぞこの曲を選んでくれたと喜んでいるのは私だけでしょうか?本当に素敵な曲です。 ミュージカル<回転木馬>の最後の方で歌われる感動的な歌#10。そしてアルバムではアンコールとして登場する#11。 <ジキルとハイド>からの曲です。先にもデュエットしているダニー・オズモンドと再びデュエットしています。 コンサートのラストを飾る様なオーケストレーション。そして彼女とダニーの歌。その光景が目に浮かぶようですね。

 如何でしたか?とても素敵なアルバムでした。クリスマス・ギフトにもピッタリですね。アルバムの番号は、 88725435722 でソニー・ミュージックから発売されています。ポップス、ヴォーカルのコーナーか、 通信販売などでお求め下さい。

2012.12.9