Greta Panettieri

Non Gioco Piu



 今年最後のアルバム紹介は、イタリアで最近人気のあるジャズ歌手、 グレータ・パネティェーリがイタリアの大歌手ミーナの楽曲を歌ったアルバム、 <ノン・ジャオコ・ピュー>です。

 グレータ・パネティェーリ。私も全く知らない歌手でした。 その経歴を調べてもアメリカのDECCAレーベルからデビューしているという事しか分からなかったのですが、 彼女のホームページを見てみるとここ数ヶ月のライヴ情報が多く載っています。 ライヴは今回紹介するアルバムを中心にしたものの様で、大変人気があるのが分かります。
 彼女についてはそのくらいですが、このアルバムのもう一人の主人公、 ミーナについて少し紹介したいと思います。
 ミーナは1940年イタリアのクレモナ生まれ。 18歳で活動を開始し翌年にリリースした<ネッスーノ>が大ヒット、スターの道を歩み始めます。 1960年代には、日本の歌手も彼女の曲を取り上げてヒットさせています。50代後半の人には懐かしい、 森山加代子の<月影のナポリ>や弘田三枝子の<砂に消えた涙>などです。 その後私生児を産んだことで業界からほされますが数年後に復帰しヒット曲を連発します。 しかし、1974年以降アルバム制作とライヴ活動に専念、映像の世界からは遠ざかっています。 今までに凡そ100枚のアルバムを発表。オルネラ・ヴァノーニ、ミルバと共にイタリア、 カンツォーネ界の三大歌手と言われています。

 そんな大スター、ミーナの楽曲を取り上げた今作。 1960年代の楽曲とジャズが融合している感じで大変格好良くできています。

 それでは紹介していきましょう。

 いきなり格好いいサウンドが響きだす#1。 日本ではダリ陀とアラン・ドロンのフランス語版がヒットしましたが、 オリジナルはミーナとアルベルト・ルーポのイタリア語版だったんです。 いや〜、のっけから本当にパンチを食らったっていう感じです。 見事にカンツォーネとジャズが融合しています。地中海のリゾートに来ている気分にしてくれる#2。 太陽の光と通り過ぎていく風を感じますね。タイトルになっている#3。 不思議な世界が繰り広げられます。トランペットとの正に共演、#4。 昔のチック・コリアのリターン・トゥー・フォーエヴァーを思い出してニヤニヤしちゃいます。 一転して静寂の世界が広がる#5。美しいです。ウッド・ベースに導かれて唄われる#6。この曲、 50代以上の方には懐かしい曲ですね。日本でも大ヒットした<別離〜わかれ>です。 サンバのリズムでご機嫌な#7。カーニバルの後に訪れる静寂。そんな気持ちになる#8。 フ〜っと息をはいて落ち着きます。そしてアルバム最後の#9はミーナの大ヒット曲。 イタリアの輝く太陽が沈んで行く様な、そんな絵が頭に浮かびます。

 如何でしたか?とっても素晴らしいアルバムでした。アルバム番号は、 GBM001でGretasBakeryレーベルから発売されています。 ワールドミュージックのコーナーか通信販売でお求めください。

2014.12.22