浅川マキ

Maki Asakawa



 浅川マキさんの突然の訃報が届いたのが今から6年近く前の2010年1月17日。名古屋で公演中の事でした。 アングラ世代にはカリスマ的存在だった彼女。オリジナルアルバムは1998年以降出していませんでしたが、この度、 何とイギリスからベストアルバムが発売になったのです。え!イギリスで?と私もビックリ。 更にアルバムを手にして更にビックリしてしまいました。その選曲、我々が思っているのとはあまりにもかけ離れていたからです。 ほ〜、外国のファンからみたらこうなるんだと思ったのです。

 浅川マキと聞いても若い世代は全くと言っていいほど分からないと思います。そこで彼女の経歴を少しご紹介しましょう。

 1942年1月石川県で生まれた彼女は高校卒業後町役場で働いていましたが歌手としての活動を目指すために上京。 米軍キャンプあキャバレーで歌手活動のスタートを切ります。1967、<東京挽歌>でレコードデビュー。しかし、 事務所と見解の違いから事務所を離れます。翌年、寺山修司に認められて新宿にあったアングラシアター<蠍座> でワンマンコンサートを開催、東芝EXPRESSレーベルと契約し1969年<夜が明けたら/かもめ>で再デビューし、 レコード発売、ライヴ活動を精力的にこなしていきます。亡くなるまでの40年間でシングル12枚、アルバム29枚を発表。 勿論そのライヴ活動は数数えきれないのは言うまでもありません。
 それでは紹介していきましょう。

 祭りのお囃子で始まる#1。もうこの辺りからこのベストアルバムが日本で作られていない事が分かりますね。 当時ショックを受けた彼女のファーストアルバムからの#2。伴奏のフルートが印象的です。ブルース。この名前がピッタリな#3。 不思議な魅力が溢れている#4。インド音楽かはたまた新興宗教かと思ってしまう#5。日本の編集者だったら絶対に選びませんね。 発売当時も思いましたが、なんて格好良いんでしょう。今でもそう思ってしまう#6。とってもジャズってる#7。 とっても哀しい#8。歌詞が何て素晴らしいんでしょう。センティメンタル・ジャーニーの旋律に導かれて始まる#9。 詞と音楽がパーフェクトですね。デビュー・シングルのB面だった#10。歌詞が面白い#11。これぞ正しくジャズ!な#12。 ゾクゾクして素敵です。発売当時もおもったのですが、タイトルが本当に凄い#13。今だったら作れませんね、きっと。 懐かしいメロディーを思い浮かべる#14。心寂しい営業終わったキャバレーの絵が浮かぶ#15。 前向きに思えるメロディーとは真逆の詞にドッキリさせられる#16。魔界に迷い込んだ様な#17。 そしてアルバム最後は、何とアダモの#18。アダモや越路吹雪の歌で有名ですね。しかし、これを最後に持ってくるあたり、 やっぱりこのアルバム只者ではありません。

 如何でしたか?外国の方が選ぶとこんなにも違うんですね。しかし、面白い選曲でした。 アルバムの番号は、HJRCD111でHONEST JONS RECORDSから出ています。通信販売でお求めください。

2015.11.24