Barbra Streisand

TIMELESS~LIVE IN CONCERT



21世紀が始まって最初に紹介するCDは、40年近くに渡る芸能 活動で、アカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞とアメリカの賞 という賞を総嘗めし、昨年9月にコンサート活動からの引退を表明したエ ンタテイメント界の女王、バーブラ・ストライサンドの<タイムレス〜ラ イヴ・イン・コンサート>です。
もうバーブラ位のアーチストは紹介しなくてもよいかな?とも思ったの ですが、あまりにも内容が素晴らしいので、敢えて取り上げました。この アルバムはタイトルからもお分りの様に、ラスヴェガスで行なわれた彼女 のコンサート ライヴです。それも、西暦2000年を迎える年越 しのコンサート ライヴなのです。そして、その内容と言ったら豪 華そのもの。彼女のデビュー前から現在に至る軌跡を追っているという、 ヒット曲のオンパレード。勿論、豪華なゲストが出演している事は言うま でもありません。ショウは2部構成で、第1部、第2部とのCD2枚 組です。それでは紹介していきましょう。

会場のざわめきの中、時を刻む時計の針音が聞こえてきて、まさに20 00年を迎えようとしている時、ステージは彼女の若い時代に遡り、歌の レッスンの場面へと変ります。ここで唄われるのは、彼女が最初にレコー ディングした想いでの#1。唄い方が独特なのを注意されながら#2に。 正に、何かが起こる予感がします。この時、バーブラの若い頃を演じ、唄 ったのがローレン・フロストという少女でしたが、これがまた、バーブラ の生き写し。途中で、本当のバーブラが現れて、舞台はもう最高の盛り上 がりを見せます。お喋りの後は映画<追憶>の主題歌#3。マーヴィン・ ハムリッシュのなんとも言えないこのメロディー。心に何時までも残る名 曲ですね。
ヴィレッジにあるクラブ<ボンソワール>でのシーンではジャズっぽく #5を。ベイジン・ストリート・イーストというナイト クラブで ベニー・グッドマンのオープニング アクトを務めた時の話しをし ながらビッグ・バンドをバックに唄う#6。ハロルド・アーレンとの想い 出の曲#7はヴァースから。ブロードウェイで話題をさらい、彼女の名が 大きく取り上げられるきっかけとなった#8。#9、#10における夫々 のメドレーでは舞台に出ている彼女が想像できます。ここで舞台は、ブロ ードウェイからハリウッドへと移っていきます。<カサブランカ>、<ア ルフィー>、<スター誕生>、<イエントル>といった数々の名画の色々 なシーンが頭をよぎって、<イエントル>のラストシーン、船上で唄われ た#16でショーの1部が終わって30分の休憩に入ります。
さて、休憩後の第2部はブロードウェイ ミュージカルの様にバン ドのメドレーから入って観客をショーの世界へと引き戻します。ブロード ウェイのショーからソンドハイムの難曲#2で凄い盛り上がりを見せた後 は、フランスの誇る大スター、イヴ・モンタンとの共演で話題になった# 3。そして、再びソンドハイムの後世に残る名曲#4でその実力を遺憾な く発揮しています。そしてショーはデュエットのコーナーへと進みます。 ジュディー・ガーランド、バリー・ギブ、ブライアン・アダムス、セリー ヌ・ディオン、そしてニール・ダイアモンドといったスター達との、もう お馴染みの大ヒット曲が続き、彼女の最愛の息子、ジェイソンとのデュエ ットから、今は亡きフランク・シナトラとのデュオでこのコーナーを締め くくります。
そしてライアン・オニールと共演した映画<メイン・イヴェント>から #9で会場は興奮の渦。少しお喋りで観客を落ち着かせると、とても美し い曲#12を唄って、今の自分が置かれている幸せな人生の姿を表現しま す。何処かで聞いた事のあるメロディー#14は、そう<蛍の光>として 日本でも唄われていますね。そして、彼女を大スターにしたブロードウェイ ミュージカル、<ファニー ガール>からの#16。
さて、そろそろ西暦2000年が近付いてきました。ここで、彼女の旦 那様を舞台に上げて紹介すると、さあ、2000年へのカウントダウンが 始まります。そして迎えた2000年。最高の盛り上がりの中で、再び# 17が唄われると、もう本当に凄い感動の嵐です。ここで、このコンサー トをサポートしてくれたコーラスやオーケストラの面々と、コンダクター であるマーヴィン・ハムリッシュ(前出の追憶の作曲者でもありますが) を紹介した後は、会場と一緒にまたまた<蛍の光>を唄います。
そして、ショーも段々終わりに近付いてきました。彼女のコンサートに は欠かせない#19。もうコンサートでは会えない観客の気持を代弁する かの様な#20。静かに語り掛ける#21。そして<ウエスト・サイド・ ストーリー>からの<サムウェア>でコンサートの幕は降ろされます。

如何でしょうか。何か本当にコンサート会場にいる様な気分になりませ んでしたか?本当に素晴らしいアルバムでした。それにしても50代後半 だというのに、最後まで衰えない声の素晴らしさ。「これぞエンタテイメ ント」という感じがします。何処かの国の歌手のみんなにも見習ってもら いたいものです。コンサート活動からの引退はとても惜しまれますが、CD 製作や映画製作は続けていくと言う事なので、少しは安心ですね。 CDの番号は次の通りです。

SRCS-2373~4(国内盤)
C2K 63778 (輸入盤)