MARK=ALMOND

OTHER PEOPLES ROOMS



ここ何年か、サンタナの復活などで、大いに注目を集め出した、と言う より、やはり、本当に良い物に注目が集まり始めたそんな時に、70年代 A.O.R. の大傑作、マーク=アーモンドの<アザー・ピープルズ・ルーム >がCDで再発されたので、紹介したいと思います。
マーク=アーモンド。とても懐かしく想われた方も多いと思いますが、 ご存じない方の為に、彼らについてチョット触れておきましょう。今回紹 介するこのアルバムは、彼らにとっては通算6枚目にあたる物で、197 8年に発表されました。マーク=アーモンドという名前が示す様に、彼ら はジョン・マークとジョニー・アーモンドの二人で結成されているユニッ トなのですが、二人は60年代終わりに、ジャズ系のブルースバンド、ジ ョン・メイオールの率いるバンド仲間として知り合い、70年頃にこのユ ニットを結成し、71年にレコード・デビュー。商業的には成功とはいか なかったものの、ブルーサム、CBS、ABC、そしてホライゾン 等のレーベルで作品を発表、その洗練された都会の雰囲気たっぷりの音楽 に、<隠れた傑作>と言った評価が与えられていたのです。その都会的な 雰囲気はこのアルバムを聞いて頂ければ十二分に解ると思いますが、二人 の才能にプラスして、このアルバムのプロデューサー、トミー・リピュー マが集めた、スティーブ・ガット、 ウィル・リー、 ジョン ・トロペア、 レオン・ペンダーヴィス、 ラルフ・マクドナ ルド、ラリー・ウィリアムス、 ジェリー・ヘイといった、当時最 高のフュージョン界のスター達の参加も、彼らのサウンドに一層の手助け をしているのです。それでは紹介していきましょう。

#1は彼らのデビューアルバムに収められていた曲ですが、早くもニュ ー・ヨークの夜の世界を感じさせてくれます。自分の熱い想いを気ずいて くれない彼女の事を切々と唄った#2。余計な事ですが、私なんぞ、毎夜 こんな気持です。けだるい雰囲気が良く表現されている#3。隣に寝てい るあのコの顔を見ながら、ふとこの詩の様に思う事がありますよね。タイ トル曲である#4は大変美しい曲です。このジャケットも「他人の部屋」 を写しているのですが、他の人の部屋って、何か興味をひきますよね。余 談ですが、裏ジャケには見られている事に驚いている他人の部屋の住人が 描かれています。
朝まで飲み明かしている人にはきつい歌詞でしょうか。#5はそんな淋 しい気持を、刻んだリズムで訴えます。<Just a friend>ーただ の友達。こんなに切ない言葉を良く表現している#6。心にしんみりとし た感動が広がりますね。自分にとって最高の人。それが誰なのかを自覚す る時、安定した心が得られる事を教えてくれる#7。アルバムの最後#8 は、マイケル・フランクスの名曲。言葉も出ない位に感動します。 如何でしたか?きっと喜んで頂けたと思います。彼らを始め、ルパート ・ホルムス、 スティーリー・ダン、 ケニー・ランキン、 そして、マイケル・フランクス等の都会的な音楽は、なんとなく、その洗 練された感覚と同時に淋しさや、孤独を感じさせます。とても素晴らしく 、また美しいアルバムでした。

CDの番号は UICY-3061 (日本盤) で、ユニヴァーサル ミュージックから出ています。ロックか、フュージョンのコーナーにある と思います。