絶対聴いて欲しい、絶対買って欲しい、そんなCD。
綾戸智絵というより、Chie Ayadoの"for all we know"を紹介します。
彼女のCDを最初に手にしたのが去年の初夏。 いわゆるジャケ買いだったのですが、 家に帰ってから早速聴いてみると、もう初めの音を聴いた瞬間にノック・アウト。
"この人、何者?"という次第でした。(でも、本 当になんとなく手が延びそうなジャケットだと思いませんか?)
ハリー・ウォーレンの代表作である#1から始まります。
レイ・チャールズの大ヒット曲で、彼とはまるっきり違ったアプローチをする#2。
ナンシー・ウィルソンの18番で、私のフェバリット・ソングの#3は、とっても怖い曲です。 歌詞を よく聴いて下さいね。
本当に日本人かと疑ってしまうほど凄いスキャットが聴ける#4、バンドの面々もゴキゲンだなと いう感じが伝わってきます。
サイモンとガーファンクルの#5はゴスペルタッチのピアノとのデュオ。 染み込んできます。
マット・デニスの代表曲#6。
再びレイ・チャールズの曲で、こんな彼がいたら一生なにもしないで暮らせそうだなと 安易な考えが頭をよぎる#7。
シナトラのかっこいい歌唱と比べてみてください#8。
でも、閉店間際の長居は禁物です。スキャットで押しまくるソニー・ロリンズの#9。
ベースとのデュオ#10。
バーグマン夫妻の詞、ミシェル・ルグラン曲の#11は、これもフェバリット・ソングの一つ、名曲です。
何時か誰かにこんな事言いたいね、本当に。 バーグマン夫妻って、何でこんな詞が書けるんだろう。 完璧ですね。
おもわず手拍子をとりたくなる#12。 歌詞を少し変えて楽しんでいます。
またまた出ましたフェバリット・ソング#13。
ケニー・ランキン、カーメン・マックレイ、そして、彼女がベスト3。 この曲にはギターがぴっ たりです。
イントロのピアノの音があまりにも哀しすぎる#14もフェバリット・ソングです。 ビリー・ホリデーを 抜いて、ロバータ・フラックのピアノで歌うダニー・ハサウェイが オンリー・ワンだと思っていたのですが、彼女の歌も捨てがたい。ちなみに カーペンターズにも同じタイトルの曲がありますが、こちらは詞も曲も違います からご注意を! デューク・エリントンの#15でいろいろな意味で、 家族=ファミリーに感謝を込めて歌い終わります。 もうヘトヘトですね。 こんなに歌詞の 見えてくる歌い手は、日本のジャズ・ヴォーカルの世界では、ここ十数年みたことがありま せん。 昨年、スウィング・ジャーナル誌は、日本人ジャズ・ヴォーカルの トップにケイコ・リーを選びました。 Chieは複数のアルバムを出し ているので票が割れたと言うこともありましたが、明らかに疑問です。 ケイコ・リーも 確かに上手い。 でも感じるものが何もない。 Chieには感じる何かがある。 彼女の歌には 魂(ソウル)がある。 詞が見える。 まあ、トップになることが 良いことだとは思いませんが。
最後になってしまいましたが、このアルバムの伴奏をしているメンバーも最高です。 もう、絶 対に聴いて欲しい! 絶対に買って欲しい! 今すぐCDショップに走れ!!!

CD のナンバーは、イーストワークスのEWCD0005です。
彼女は去年暮れにもう1枚のアルバム"Your Song"を出しています。
こちらはまた次の機会に紹介したいと思います。 それではまた。