ANA CARAM

blue bossa


今年の気候は何か変。桜は2週間も早く満開になり、 気温の上下は激しくて、体調維持にも一苦労ですね。 でも、どんな季節にも合う音楽があります。それが ボサ・ノヴァ。 今回は、朝の目覚めに最適な一枚を紹介しましょう。 アナ・カランの<ブルー・ボッサ>です。

さて、アナ・カランをご存知ない方のために、彼女を少し 紹介してみましょう。彼女は1958年、ブラジル はサンパウロ州の生まれ。ギターの弾き語りを得意とし、 1986年、自主製作盤でデビュー。89年にアメリカは、 ニュー・ヨークのチェスキー・レコードと契約後、六枚の アルバム(ベスト盤を入れると七枚)を製作。このところ、 子育てでアルバム製作を離れていましたが、昨年3月に、 ニュー・ヨークのセント・ペーター教会でこのアルバムを レコーディングしたのです。それでは紹介していきましょう。

朝の光を眩しく感じ、伸びをする自分。そんなイメージ でスタートする#1。ボサ・ノヴァ好きの人は、誰一人として 知らない人はいない、ジョビン〜メンドンサの名曲です。 1963年にジャズ・トランペッターのケニー・ドーハムが作り、 テナー・サックスのジョー・ヘンダーソンが大ヒット させた#2。サックスが心地よさを引き出しています。 アントニオ・カルロス・ジョビンの#3。ガル・コスタの様な アナの歌声が素敵ですね。二度寝してしまいそうな気がする #4。ボサ・ノヴァの良さは、正に、この気持ちの良さにありますよね。 クリフ・コーマンのキーボードが雰囲気を盛り上げる#5。 最後のスキャットで、ジョビン後期の代表作、<三月の水> が聴けますが、聴き逃さないで下さいね。シナトラの唄で 有名になった#6は、他に<待ちわびて>というタイトルも あるんですよ。この辺りで、また布団に潜り込んでしまいそうですね。 元々は、<IN OTHER WARDS> というタイトルだった#7。しかし、 やはりボサ・ノヴァにアレンジされたのが、正解だったんでしょう。 今では、知らない人がいないほど有名になってしまいました。 何しろ、宇多田ヒカルも採り上げた位ですからね。 #8は、比較的新しい作品です。イヴァン・リンスと ヴィートル・マーチンスの作品で、リゾートでボケ〜っとしている 時に最適な音楽だと思うのは私だけでしょうか。 「何度も電話しているのに、何時も話し中。こんなにひどい目に なんであわなきゃならないの?あ〜っ、イライラする。やっと 繋がった。彼がでた。ハロ〜!」単純な歌詞ですが、 こんな思いをした事がある人は沢山いるでしょうね。 そんな事を考えて、ちょっと噴出してしまう#9。 ボサ・ノヴァに大きな影響を与えた人物、ドリヴァル・カイミィ。 そんな彼の世界が表現されている#10。詩が芸術です。 去年、惜しくもこの世を去ったギターの名手、バーデン・パウエルの #11。アナの声、サックスの囁き、そして、バックに 地味に流れるサンバのリズム。三位一体とはこういう事なんでしょうね。 そして、このアルバムの最後は、アナ、彼女の自作#12です。 ゆったりと流れる時を感じますね。

如何でしたか?こうして聴いてみると、勿論、朝の目覚め には良いのですが、夜、一人でグラスを傾けて聴いているのも 良いかな?なんて、思ったりもします。皆さんは、どちらを 選びますか?
CDの番号は、UCCT-1043(国内盤)、JD219(輸入盤)です。 ブラジルか、ボサ・ノヴァのコーナーに行ってみて下さい。