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ショーロ セレクション


暑かった夏もすっかり影をひそめた9月も半ば。ふ〜っと力が抜けている、そんな時にお勧めするのが この<ゴンチチ レコメンズ・ショーロ セレクション>です。

さて、皆さんはショーロと聞いてすぐに浮かんでくるでしょうか? ショーロ?何、それ? という人が大半を占めると思うのですが、 まず、このショーロについて少し説明しておきましょう。
もともと<泣く>という語源のショーロは感情表現を 楽器だけで表したインストゥルメンタル音楽で、その 基本的な編成は、リードがフルート等の吹奏楽器、通奏低音と 和声を二本のギター、オブリガードを4弦ギターのカバキーニョが 担当するというもの。のちに、ピアノなどのショーロも 出てきたといわれる、簡単にいえば、ブラジルのサロン音楽 という様なものだと思って頂ければ分かり易いと思います。 それでは gontiti がお勧めするこのアルバムを紹介していきましょう。

ブラジルのマンドリン、バンドリンをソロとして確立させた ジャコー・ド・バンドリンの自作曲#1。のっけから ジャコーのテクニックにノックアウトです。多くの人が 一度は聴いた事があるだろう#2。酒場の楽しい雰囲気が 伝わってきそうですね。これも聴いた事ある人が多いと 思われる#3。これを聴くと、ショーロってこれか!と分かる と思いますが、どうでしょうか?元々はピアノ曲だった #4。ジャコーのバンドリンは本当に素敵ですね。タイトルに なっているのは、上流社会の社交場であった映画館の 名前だそうです。ショーロをバックにエリス・レジーナが 唄う#5。とてもロマンティックな唄ですね。#5を作曲した ピシンギー二ャが演奏家としてサックスを披露する#6。サロンにぴったりです。ピシンギー二ャのフルートが 思いきり泣いている#7。バイオリンの音色がなんとも悲しい #8。惜しくも13年前に亡くなったボサノヴァのミューズ、 ナラ・レオン。彼女のギターとフルート、それにサックス。 ショーロの演奏に彼女の唄が心地よいですね。超絶技とはこういった事なんでしょう。#10は、フルートの超絶技を 披露してくれるアルタミーロ・カヒーリョの演奏にただただ 感心してしまいます。#10とは一転した演奏を聴かせてくれる カヒーリョの#11。カルメン・ミリンダの唄で世界中で 愛されている#12。ここでもカヒーリョのテクニックを 存分に味わう事ができますね。決して中華店の宣伝ではありませんよ。 まさに<オリエンタル>な#13。哀愁が心に突き刺さる #14。ナラ・レオンの歌声が哀しいですね。<黒いオルフェ>という 映画音楽を担当した事でもよく知られている、ルイス・ボンファの オリジナル#15。ギターのソロもいいものです。まさにサロン音楽 といえる#16。これもボンファのオリジナルです。 不思議で、下手うまな?声に惹かれる#17。これも不思議な #18。どこかの世界に連れて行かれそうです。タイトルは アコーディオンの意味です。ジャコー・ド・バンドリンと 肩を並べるくらいのバンドリン奏者、ヘベルシ・ミランダ。 彼のオリジナル#19は彼のバンドリン奏者としての 本領発揮を聴く事ができます。最後の#20は、ギターの 神様、バーデン・パウウェルのギターソロ。とてもセンティメンタル な素敵な曲です。最後を飾るのにふさわしいですね。

如何でしたか?午後のひととき、お茶でも飲みながら、 または、深夜にグラスを傾けながら聴くのに最適でしょ。 アルバム番号は、UICY4042 で、ユニヴァーサルミュージック から出ています。ブラジルのコーナーか、日本のGONTITI の コーナーに行ってみて下さい。