CHARLOTTE RAMPLING

comme une femme


秋というと、どうしてもシャンソンを連想してしまう人が多いと思いますが、 今回紹介するシャーロット・ランプリングの<男を見つめる女のように>は、 アンニュイで、秋にピッタリです。

さて、シャーロット・ランプリングと聞いてピンと来た人は相当な映画通です。 彼女を知らない人の為に、彼女について少し触れておきましょう。 シャーロット・ランプリング。第二次世界大戦が終わって間もなくイギリスで生まれた彼女は 父親の仕事の関係でその後フランスで過ごします。19歳の時に リチャード・レスター監督の<ナック>で映画デビュー。ヴィスコンティ監督の <地獄に墜ちた勇者たち>や、カヴァーニ監督の<愛の嵐>でセンセーションを 巻き起こして、ヨーロッパを代表する女優の一人になったのです。 大島渚監督の<マックス・モナムール>にも出演して、そのミステリアスな魅力を発揮していたのは ご承知の方も多い事と思います。1979年に著名なミュージシャン、 ジャン・ミッシェル・ジャールと結婚。昨年離婚するまでは さほど話題にもならなかったのですが、その年に封切られた <まぼろし〜SOUS LE SABLE>の大ヒットで銀幕に返り咲いて、 現在に至っています。それでは紹介していきましょう。

最初からアンニュイな感じで始まる#1。こんな生活を送ってみたいものです。不安症の人には頷く方が多いであろう#2。 相手の気持ちを察するのには参考になりますね。ちょっと面白いけどちょっぴり哀しい#3。タイトルにもなっている#4。 退廃的な香りがします。官能的な#5。タバコの煙が空気を覆っている感じでしょうか。演奏と語りのバランスが絶妙な#6。 アコーディオンが懐かしさを甦らせる#7。気だるい感じが何とも言えません。コラ・ボケールを彷彿させる#8。 まさに3分間のドラマです。ワインを注いだグラスをかかげて歌いたくなる#9。 バンドネオンとヴァイオリンの演奏が全てを現している#10。短い詩がズキンときますね。#2の英語ヴァージョン#11。 英語でアンニュイって何て言うのか考えてしまうのは、決して私だけではないでしょう。こちらは#6の英語ヴァージョン、 #12。#13は#1の英語ヴァージョンです。先ほどあんな生活をしてみたいと言ったのが解って頂けたでしょうか?

如何でしたか?シャンソンは3分間のドラマだとよく言われますが、まさにその通り。決して上手とはお世辞にも言えない シャーロット・ランプリングの唄の数々。しかし、聞き終わってみると、とてもアン二ュイで心地良かったですね。 何だか眠りを誘っているようで、日向でボーっとしてみたい気がしてきました。アルバムの番号は、 KICP890でキングレコードから出ています。シャンソンのコーナーに行ってみて下さい。