tony bennett & k.d.lang

a wonderful world


今年の秋は大変短くて、早くも冬が…、という感じですが、そんな時、部屋で暖かい音楽が流れていたら、 どんなに心が休まる事でしょう。今回紹介する、ともにグラミー賞歌手のトニー・ベネットとk.d.ラングの デュエットアルバム、<この素晴らしき世界>は、まさにタイトル通り、素晴らしき世界を私たちに届けてくれる素敵なアルバムです。

 トニー・ベネット、k.d.ラング、共にグラミー賞を受賞している大変有名な歌手ですから、 紹介する事はもはやないとは思いますが、少しだけ触れておきましょう。 トニー・ベネットは今年で76歳。半世紀以上活躍しているアメリカ音楽界の重鎮の一人です。 これまでも、数十枚のアルバムを発表。<霧のサンフランシスコ>はあまりにも有名です。
 一方のk.d.ラングは、1987年のデビュー以来、昨年までにグラミー賞を含む9枚のアルバムを発表し、 カントリー、ポピュラー音楽の世界では欠かせぬ存在になっています。 その二人が共演した今回のアルバム、<この素晴らしき世界>は、タイトルからも判る様に、 サッチモ、ルイ・アームストロングの愛唱歌を集めて、本当に素晴らしい出来を示し、 私たちを幸せな気持ちにしてくれる事間違いなしです。
 それでは紹介していきましょう。

 「私が待っていたのは、まさにあなたの様な方」という歌詞が出てくる#1。 このアルバムを作るために出会った二人が、サッチモの愛唱歌と出会った。 ここでいう「あなた」とは、そんな事なんでしょうか?トップの曲としては、申し分ないですね。 サッチモの大ヒット曲#2は、元々はシャンソンです。軽いボサノヴァのリズムが心地よいですね。 スコット・ハミルトンのテナー・サックスがくすぐる#3。ここでのk.d.ラングの歌唱は とても素晴らしく、彼女の新境地を見つけた感じさえします。トニー節が快調な#4。 指を鳴らしたくなってしまうのは、決して私だけではないでしょう。 日本でも幾度となくCMで使われたので、知らない人がいないくらいの#5。 このアルバムのタイトルも、ここから採っているのでしょう。 サッチモとは違ったアプローチで迫る二人。ストリングスの絡みがとてもいいですね。 トニーの説得力の凄さには脱帽です。トニーのソロ#6。k.d.ラングの表現もトニーには負けてない#7。こちらはk.d.ラングのソロです。 二人の息がピッタリはまった#8。夢は大きく持った方がいい、と良く言われますが、 この#9を聴いていると細やかな夢も良いものだと思ってしまいます。恋の唄って、 実っても破れても、どちらでも素敵だなと思わせてくれる#10。 心にず〜〜んと染み込む#11。抑えた演奏がその気持ちを深くさせますね。 そしてこのアルバム最後の#12は、トニーとk.d.ラングの絡みがタイトルを彷彿させる素晴らしさです。恋人に囁いてみたいものですね。

 如何でしたか?とても落ち着いて、幸せな気持ちになったんではないでしょうか。 こんな素敵なアルバムをライヴで聴いたらもっと素敵でしょうね。ちなみにこの二人、 9月にカーネギー・ホールでコンサートを、そして、11月の6日には全米に向けて その模様がオンエアされた様です。日本でも是非放送してもらいたいものですね。 現時点では国内盤は発売されていませんが、12月に発売される予定です。 アルバムの番号は、輸入盤が、CK86734 でコロンビアから、国内盤はSICP304 でソニーから出ています。 ジャズヴォーカルのトニー・ベネットのコーナーか、ロック&ポップスのk.d.ラングのコーナーに行ってみて下さい。