吉田 美奈子

BELLS〜Special Edition〜


街はすっかりクリスマス気分ですが、今回紹介するアルバムは、この時期にピッタリな吉田美奈子の <ベルズ〜スペシャルエディション〜>です。

このアルバム、実はCDとして以前に発売されていました。1986年、 吉田美奈子がどこのレコード会社にも所属しなかった時期に、自主製作CDとして作った僅か3000枚の限定発売だったのです。 ですから、長年発売を望む声が多く、今回の発売はファンにとっては最高のクリスマス・ プレゼントになったと言っても過言ではないでしょう。勿論、その他の人達にとっても大変素敵な贈り物である事は間違いありません。
その前に、吉田美奈子を知らない人の為に、彼女について少し話しておきましょう。 1973年<冬の扉>で正式デビューする前から、色々なアーチストのコーラスなどにクレジットされていた彼女は、 最初の頃こそニューミュージックやアメリカンポップスを歌う女性シンガーというイメージでしたが、 70年代後半からはファンキーな美奈子として認められる様になります。そして、 80年代にはCMに曲が使われ益々メジャーな人物になっていきます。一時期は、 他の多くのアーチストに楽曲を提供する事に重点が置かれていましたが、90年代半ばに完全復帰して、 彼女独自の世界を表現し続けています。
それでは紹介していきましょう。

教会のパイプオルガンの如く響く吉田美奈子の多重録音による#1は、まさに、厳粛な雰囲気を感じさせます。 #2もまた教会で歌うゴスペルの様で、その詩にはとても暖かなものが感じられるはずです。思わず口ずさんでしまいますね。 彼女の才能の素晴らしさを改めて認めてしまいます。彼女のスピリチュアルな叫びが感動を呼ぶ#3。 とても勇気を与えてくれる詩の#4。みなさんも心を開いてみては如何ですか?美奈子節の聞けるトラックでした。 とても好きな人にだけ贈りたい#5。あなたも素敵な人に<THANKS>と言ってみたくなりますよ、きっと。 オルガンに導かれて始まる#6もスピリチュアルな世界を感じる事ができます。教会で聞く説教の様ですね。 最後に鳴り響く鐘がとても印象的です。ここまでが1986年に発売されたオリジナルアルバムに収録されていた物ですが、 次の#7がこのスペシャルエディションの為に追加されました。1〜6のトラックでは全てが吉田美奈子、 彼女自身の作・編曲に依るものでしたが、この#7は、作詞が彼女自身、作曲に塩谷哲、 編曲とピアノ伴奏に倉田信雄を迎えて作られています。そして、とても素晴らしい曲になりました。 あなた自身も<瞳を閉じても消えない光を湛えた星>を、モミの木に飾ってみませんか?

如何でした?とても素敵なアルバムでしたね。キャンドルの点った部屋で、あなたと、 そしてあなたのとても大切にしている人と二人で聴いてみて下さいね。もちろん、一人のあなたにも、 心和むアルバムになる事は間違いありません。
アルバム番号は、IOCD20041 で、avex から発売されています。J-POPのコーナーに行ってみて下さい。 なお、このCDはコピーコントロールCDなので、パソコンによるCD-Rやハードディスクなどへのコピーは出来なくなっていますので、 ご注意を。