BREEZE

My Favorite Things


 2003年の幕開けに皆さんに紹介するとても爽やかな風。それが日本のジャズ・ヴォーカル・グループ、 BREEZE(ブリーズ)の新作<マイ・フェヴァリット・シィングス>です。
 昨年暮れに世界的なジャズ・コーラス・グループ、マンハッタン・トランスファーが来日して公演したのは記憶に新しいところですが、 今回紹介するブリーズも、彼らと同じ男女各2人と同じ編成で、マントラに追いつけ、追い越せと頑張っています。 そんな彼らが昨年暮れに届けてくれたアルバムはとても爽やかで、この新春を飾るのにはうってつけではないでしょうか。
 ここで、BREEZE〜ブリーズを知らない方のために少し紹介しておきましょう。
 BREEZEの結成は、今から丁度10年前、1993年に遡ります。ジャズ・ヴォーカリスト、 後藤芳子の門下生だった男2人、女3人の混声グループとして出発し、その後、男女各2人の編成として再出発、 イラストレーターの和田誠が名付け親になってBREEZEがスタートし、1997年、キングレコードから<Foot Steps>でデビュー、 1999年にはエイヴェックスより<風吹く頃>をリリース。一年半ほど前にテナーの中村学が入れ替わりで加入、 以前からのメンバー、磯貝隆昭、小菅けいこ、中村早智の4人で再スタートをきって、 昨年暮れに今回紹介する3枚目のアルバムを出したのです。以前は、どことなく頼りげないコーラスでしたが、 今回のアルバムは、全く装いを一新。日本にもこんなグループがいたのか?というような出来に仕上がっています。 それでは紹介していきましょう。

 #1は、今回のアルバムのタイトルにもなっている、ミュージカル<サウンド・オブ・ミュージック>の中からのナンバー。 快調に飛ばす彼らに拍手!のオープニングです。#2はミュージカル<ピーターパン>から。三拍子に身体が揺れてしまいますね。 ホーギー・カーマイケルの名作#3。ヴァースからゆったりと歌っています。バックのオーケストラが気分を高めます。 <ビートでジャンプ>という邦題で有名な#4。正に<爽やか>の一語に尽きます。とってもお洒落な#5。 ミュージカル<ド・レ・ミ>からです。新幹線の様に飛ばしまくる#6。このグループの成長した後が伺えます。 打って変わってバラッドで迫る#7は、ミュージカル<レディー・イン・ザ・ダーク>から。 <舞踏病>という奇妙な題名が付いている#8。彼らも、爽やかの中に、ミステリアスな感じを上手く出していますね。 マイルス・デイヴィスの代表曲#9。近藤和彦のソプラノサックスがとても興奮するし、モダン・ジャズを聴いているような感じですね。 レゲエのリズムでちょっとビックリする#10。アカペラで臨んだ#11。 シンガーズ・アンリミテッドというコーラスグループが得意にしていたアカペラ。 相当な実力がないと聴くに耐えませんが、BREEZEも頑張って、ロマンチックに歌っています。 そして、アルバムの最後、#12はスウィンギーに締めくくります。アルトサックスとの掛け合い、 ビッグバンドの豪華さと最後を飾るのには本当に相応しいナンバーですね。

 如何でしたか?とても爽やかな気分になったのではないでしょうか。アルバム番号は、SKIP2007 で、 スキップレコードから出ています。日本のジャズヴォーカルのコーナーに行ってみて下さい。