オリジナル・ムーヴィー・キャスト

CHICAGO〜シカゴ


 先日のアカデミー賞では、作品賞、助演女優賞をはじめ、6部門を獲得した<CHICAGO>ですが、今回は、初めての試みとして、 誌上先行ロードショー気分でお楽しみできるように紹介していきたいと思います。

 この<CHICAGO>ですが、ブロードウェイ・ミュージカルの舞台を映画化したもの。しかし、元々は、 実際にあった裁判を基に書かれた戯曲なのです。1926年に上演されヒット。その後、映画化もされて、 日本でも公開されています。そしてまた、ジンジャー・ロジャース主演で再び映画化(1942年)。しかし、 ミュージカルになったのは、そのず〜っと後の1975年でした。初演は、ボブ・フォッシー演出で、 彼の奥方であったグウェン・ヴァートンとチタ・リヴェラという2大スターの競演、音楽は、ミュージカル<キャバレー>で有名な、 ジョン・カンダーとフレッド・ウェッブという大プロジェクトでしたが、2年あまりでクローズしてしまいます。 その2年後にはロンドンでも初演されますが、こちらもそう長くは続きませんでした。しかし、1996年のブロードウェイ、 1997年のロンドンと続いてリバイバルされると、これがなんと両方の公演とも、現在でも続いている大ヒット。 記録更新中なのです。日本でも、初演の後、草笛光子と上月晃、鳳蘭と麻実れいのコンビで2度上演されています。
 そして、この映画化になるわけですが、監督は、ミュージカル畑のロブ・マーシャル、ヴェルマにはアカデミー賞、 助演女優賞受賞のキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ロキシーには<ブリジット・ジョーンズの日記>のレニー・ゼルウィガー、 そして、敏腕弁護士ビリーには、<グリース>でミュージカル経験済みのリチャード・ギア。他にも、クウィーン・ラティファ、 ジョン・C・ライリーと芸達者が脇を固めて、大変素晴らしいミュージカル映画に仕上がっています。それでは紹介していきましょう。

 ミュート・トランペットに続いて如何にもミュージカルという#1。後半はヴェルマが迫力ある歌を聴かせます。 バンマスからの紹介でロキシーが歌う#2は、愛人を殺してしまった彼女がその罪を夫に肩代わりしてもらおうと歌うのですが、 浮気相手を殺したとわかると・・・。台詞入りのこのシーンは女の怖さが伝わってきますよ。刑務所の女看守、ママ・モートン歌う#3。 世の中お金が全てみたいなこの歌は、困った事に、いつの時代にも当てはまります。5人の女囚の独白をタンゴのリズムで進めていく#4。 映画の中でも、舞台を観ているようなシーンです。敏腕弁護士ビリー登場の#5。「何よりも愛が大切」なんて、 本心とは全く逆を歌い、相当なやり手だな、と思わせます。ロキシーが正当防衛だったと記者会見を開いて発表するシーンの#6。 腹話術の人形を使ってリチャード・ギアが一人二役で活躍します。その記事が公になるや、 スター気分のロキシーはすっかりその気になって#7をチヤーミングに歌います。 大衆の人気をロキシーに奪われたヴェルマも黙ってはいられません。ロキシーに二人で売り出そうと持ちかける#8。 誰から見ても存在感のない自分。#9はそんな自分をセロファンに例えて嘆く、ロキシーの夫、 エイモスの淋しい気持ちが良く表れています。法廷でのシーン、ビリーは騒いで惑わせばこっちのもの、 と#10で歌いあげます。#11は映画ではカットされた物。舞台では、 ロキシーに対して歌われる皮肉を込めたメッセージとでもいいましょうか。ロキシーが今の時代は何でもいいじゃないの、 と歌う#12。しかし、主役はもう次の話題の主に移ろうとしていたのです。そして、 とうとうロキシーとヴェルマはコンビを組んでシカゴの舞台に登場します。#13を歌った後は、 二人が電光板の前で踊るシーンへと移ります。そしてフィナーレ#14は、エンディングロールで流れる映画の為に書かれた新曲です。 二人が前進あるのみと歌って映画は終わります。#15〜#18はボーナストラック。 #15と#16は映画の中で使われたインスト・ナンバー。#4をヒップポップにして歌う#17。 クウィーン・ラティファの本領発揮です。そして、#18は、アナスタシアが、 70年代〜80年代前半のソウルシーンを彷彿させる迫力で歌います。 映画版CHICAGOにインスパイアされてデイモン・シャープ、グレッグ・ローソン等が作った曲です。素敵ですね。

 如何でしたか?映画を観ている気分になったでしょ?この、<CHICAGO〜シカゴ>は、2003年4月19日より全国公開です。 是非観て下さいね。CDの番号ですが、EICP196 で、エピック・インターナショナルから出ています。勿論、 サウンドトラックのコーナーに行って下さい。