"Mireille Mathieu Chante Ennio Morricone"

ミレイユ・マチューと聞いて懐かしいなと思った人は沢山いることと思い ます。なにしろ60年代後半〜70年代にかけての勢いたるや、凄いもの がありました。
ここのところあまり新作も発表されずどうしているのかな と思っていたところ、昨年後半にドイツの会社から、新曲2曲を含むベス ト盤が発売になり、相変わらず伸びのある声を聴かせてくれていました。
そのマチューがエンニオ・モリコーネの映画音楽を歌った1974年のア ルバムがCD発売になったので紹介したいと思います。
歌詞の最初に出てくる、あたかも太陽が沈んでいく様を表現しているイ ントロで始まる映画〃ウエスタン〃からの#1。何時かあなたは帰ってく るだろうという切ない気持が伝わってきます。
あなたの声が電話から聞こ えてくると私は雨も太陽も忘れて(つまり他のことは全て忘れて、という こと)耳を傾けるでしょうと、誰かが言いそうな詞を囁きながら聴かせて くれる#2。
〃カリフの女王〃の邦題で知られる#3はイタリア語のまま 歌われます。〃夕陽のギャング達〃からの#4はその美しい編曲とコーラスが 映像を思い浮かべさせてくれます。
#5は〃愛で死ぬ〃の主題歌。映画に出演していたミルバが 歌って大ヒットさせた曲です。ミルバに負けずにマチューもドラマティッ クな歌を聴かせてくれます。
ゆったりとしたストリングスとギターをバッ クに伸び伸びと歌う#6。エキゾティックな編曲がとても印象的な#7。 <男の弱さと女の強さ>を力強く歌っています。
うって変ってピアノとス トリングスとマチューの声が静かに入っていく#8は、今まで辿ってきた 家族を含めた自分の人生を振り返って神に感謝する、という歌の内容がと てもマッチしていてこのアルバムの中でも特に光ります。
ジョーン・バエ ズがヒットさせた〃死刑台のメロディー〃の主題歌#9。権力の怖さを思 い出します。〃ロマンス〃の主題歌(と言っても今放送されている某、TV 局のものとは勿論違います)#10。
如何でしょうか。レコード発売当時 、このアルバムは〃エトランゼと私〜モリコーネの印象〃というタイトル で発売されました。全体を通して聴いてみるとこのタイトルは的を射てい ると思いませんか?


CDナンバーはBVCP-21054(日本盤74321609312)輸入盤 どちらもBMGから出ています。捜す時は、フランスかシャンソンの コーナーに行って下さい。