Leslie Uggams

On my way to you


 ヴァレンタインデイも終わってほっと一息というあなた。でも、ず〜っとロマンチックな気分でいたいと思っている事でしょう。 そんああなたにとても素敵なCDの贈り物が届きました。それが今回紹介するレスリー・アガムスの<オン・マイ・ウェイ・トゥ・ユー> です。このアルバム、副題に付いている様に、アランとマリリンバーグマン夫妻のとても美しい詩が付けられた曲の特集です。ですから、 ロマンチックな気分になる事間違いなし。早速紹介していきましょう。でも、その前に、レスリー・アガムスを知らないあなたの為に、 少し彼女を紹介しましょう。

 彼女を知っている人は、相当のブロードウェイ通です。彼女のキャリアは古く、デビューして間もない1968年には、 公民権運動を背景に田舎町からニューヨークに出てきた黒人の少女が歌手として成功する姿を描いたミュージカル、 <ハレルヤ・ベイビー>でいきなりトニー賞のミュージカル主演女優賞を獲得。トップスターの仲間入りを果たします。 その後も、チタ・リベラ、キャロル・チヤニングと競演した<ジェリーズ・ガール>、トニー賞のストレイトプレイ(演劇) 部門で主演女優賞にノミネートされた<キング・へドリー2世>、今年日本でも宮本亜門の演出で初演されるリヴァイヴァル版 <イントゥ・ザ・ウッズ>の魔女役、そして、今シーズンは2年前のトニー賞作品、ミュージカル<モダン・ミリー>に出演と、 まさに、油ののった女優だと言う事ができるでしょう。それでは紹介していきましょう。

 数多くのアーチストが取り上げて、今や完全にスタンダードソングの仲間入りをとげた#1。 間奏のピアノソロがとても心地よいですね。グラミー賞にノミネートされたシドニー・ポラック監督<麗しのサブリナ>の主題歌#2。 ジョン・ルシアンとのデュエットです。あの時はスティングがステージで歌ってましたっけ。こちらも映画<想い出の夏>の主題歌#3。 何時聴いても素敵な曲です。ロマンチックな気分になってきましたね。デイヴ・グル―シン作曲の#4。 風景が頭に浮かんで来るのは私だけではないでしょう。セルジオ・メンデスの代表曲のひとつ#5。 ソプラノサックスとハーモニカが効果的ですね。決して演歌ではありません。 ドラマチックなギターの前奏とともに歌われるのは1968年のアカデミー賞受賞作#6。 ちょっとジプシーキングスを思わせるアレンジがいいですね。タイトルにもなっている#7。 ミシェル・ルグランはこのアルバムの半分の作曲を担当していますが、アランとマリリンバーグマン夫妻の作る詩と彼の曲。 最強のコンビだとは思いませんか?空気の良い高原で朝を迎えている気分になります。 そのミシェル・ルグランがヴォ―カルで参加している#8。さて、あなたはこれからの人生を誰と生きていきますか? フルートの音色が体を軽くしてくれそうな#9。しっとりと詩をかみしめるように歌う#10。美しい詩ですね。 この曲がヒットしたのがもう20年以上前になるんだと思うと時の流れを感じます。 ジェイムズ・イングラムとパティー・オースティンのコンビに負けない名唱を聴かせてくれています。 フランスの映画監督ジャック・ドゥミーの映画にはミシェル・ルグランの音楽が本当に似合います。アルバムの最後は、 その中から特に美しい#12をお届けしましょう。アイラ・シーゲルのギターがいい味を出していますね。

 如何でしたか?とてもロマンチックな気分になった事と思います。アルバムの番号は、 3020621932 で FYNSWORTH ALLEY から出ています。ポップヴォ―カルか、ミュージカルのコーナーに行ってみて下さい。