経口禁煙薬Zyban®が日本に先立ちインドで発売

                   タバコを吸わない人にも害を与えています

タバコで早死にできるとは限りません。苦しみながら老年期を送るのはいやですね。


愛煙家の台詞に「俺のじい様は一日二箱もタバコを吸いながら90歳まで長生きした。」の類がありますね。確かに喫煙者が必ずしも皆肺ガンで命を落とすわけではありません。しかし、肺ガン胃ガン膀胱ガン、心筋梗塞の有病率・死亡率を喫煙者と非喫煙者で比較すると統計的に明らかに有意な差があります。
愛煙家には「好きなタバコで死んでも構わない」とおっしゃる方も多いと思います。しかし、問題はむしろタバコが原因で死ねずに生き延びた場合にこそあります。日本人の平均寿命が世界一になり、今では70歳代、80歳台をいかに健康に活力に満ちて過ごすかを考える時代になりました。人生の輝ける晩年に、同年輩の仲間が元気に動き回っているのを横目に、喫煙者は「慢性閉塞性肺疾患」のため痰と咳でゲホゲホ、ぜーぜー言いながら、階段を上ることになります。これいやじゃありませんか。
さて、禁煙補助薬として、日本でもいくつかの禁煙薬が承認発売されております。しかしそのすべてはニコチンをガムなりパッチなりでニコチンを補充する薬です。このニコチン補充療法では脳内に成立しているニコチン依存(コカインやモルヒネなどの麻薬依存と同じ仕組みです)を立ち切ることができず、やがてまた元のタバコでニコチンを補ってしまうことが多くあります。
一方、欧米では脳内でニコチン依存がおきている部位に直接働き「中毒を断ち切る」薬Bupropion(商品名Zyban:内服薬)が発売されています。この内服薬による禁煙成功率はニコチン補充薬の成績を遥かに上回っています。
インドでも日本に先駆けてこの薬ZybanがGlaxoSmithKline(GSK) 社(本社英国)から発売されました。何が入っているか判らないインドの魔法の薬ではなく、欧米の規制当局が安全性と有効性をきちんと審査した薬です。(http://www.centerwatch.com/ patient/drugs/DRU261.html)。(実はもう世界80カ国で発売されています。日本はその意味ではインドより後進国なのです。)
インドに生活している間に禁煙を成功させて禁煙先進国の特典を活かしましょう。この薬は医師の処方役です。専門医にその効果と副作用についてきちんと説明を受け、納得した上で服用を開始してください。 (作用があるあらゆる薬はなんらかの副作用があります。)
デリー市内での治療可能医療機関については医務官にメール(mailto:taka-m@nisiq.net?Subject=Zyban) でお尋ねください。ちなみに、医務官はインドの医師免許を保持しておりませんので、処方はできません。


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