海外生活とメンタルストレス
海外に住む日本人の3割がメンタルケアを必要としています
誰でも感ずる感情の起伏あなただけではありません
滞在時期によりストレス反応も変ります
苦しい時はためらわず心療内科・精神科医に相談しましょう
誰もが通る道:適応の5段階
異文化の中で暮らす海外生活にはとかくストレスがつきものです。特にキチカチとした日本人の感覚でインド生活に真正面から挑むと、まるで心が歯軋りするようです。傍目からみると一見優雅そうなマダム生活を送るあなたでも家事補助者・運転手の管理、言葉の壁などでストレスを抱えているはずです。
今回はデリーライフ編集部のご希望に応えて、「海外生活とメンタルヘルス」について概説します。いずれボランティアグループ主催・婦人部後援の講演会でもこの問題についてもっと詳しく解説するチャンスもあるでしょう。
さて海外生活に限らず人間はいらいらもしますし、おちこんだ気分になります。特に、皆様が初老期うつ病の好発年齢や更年期に差し掛かっている場合、インド生活のストレスが誘因(きっかけ)になってその症状が表面に出たり、悪化することがあります。苦しい時はためらわず心療内科や精神科を受診しましょう。
海外生活者が晒される精神的状況を時間的に分けると次の5段階になります。この段階を「ものさし」にしてあなたの精神的ストレスを客観的に捉えることができます。決してあなただけが悩んでいるわけではありません。この道は誰もが通る道なのです。
@移住期
<着任後数週間〜数ヶ月間>
家・車・使用人・電気・電話・学校・挨拶回りと、生活の設営に追われる時期。この作業に必死で、実はあまり精神的な問題は起こりません。まわりからも見かけ上「適応」しているように見えますし、自分自身立派なものだと思ってしまいます。しかし、この時
期に頑張りすぎると後に心労を引きずることになります。移住期こそ余裕をもってマイ
ペースで事を運びましょう。
A不満期
<着任後数週間〜数ヶ月後以降>
生活の設営が終わり、ほっと一息つく時期です。その一方、インドの欠点やストレス源が少しづつ目に付いてきます。この時期に心身の不調や精神障害自殺などの問題がおこりがちです。この辛い時期は誰にでもあるものです。あなただけの悩みではありません。辛い時は十分に休養をとりましょう。また旅行などして気分転換をはかるのも良いでしょう。
B諦観期(悟り期)
<着任後数ヶ月〜一年以降>
インドの良いところも、悪いところも肯定的に認識できるようになります。”ありのまま” の姿が見られるようになり、心理的にも落ち着きに向かう時期です。多少受け身的ではありますが、些細な不合理は受け入れるようにした方がいいでしょう。ムンクの「叫び」:あなたもこんな気分になりませんか?
C適応期
<おおよそ一年以降>
現地に無理なく溶け込み生活をエンジョイできる時期です。インド赴任直後の人からみると回りの日本人は皆適応期の人ばかりに見えるものです。でも心配は要りません。あなたにもやがてこの時期はやってきます。
D望郷期
<約2〜3年以降>
良かれ悪しかれインドの「刺激」に慣れてくると日本が懐かしくメランコリックな気分になります。引越し準備や日本再適応への不安が引き金になり心身に不調を起すこともあります。ここまで来たら最後までインド的にNo
Problemの精神で過ごしましょう。□
推薦医療機関
東京武蔵野病院
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(金曜午前)
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