![]() |
||
|
2010年1月 |
東京の西の杉並・荻窪に住んでいる。
昔は、東京の郊外で富士山がよく見られた地域だ。
| 荻窪時代の朝永振一郎は、私の子供の頃の景色を、次のように書いている。 「学校の門の近くからは富士山がよく見えた。 彼は西田小学校のそばに住んでいて、私はその家の前を通って学校に通っていた。 |
昔は、西田小学校の台地の西の斜面は麦畑で、その先に富士山が良く見え、坂道の先が荻窪駅からのバス通りだった。
今は、冬の晴天の日には、中央線の阿佐ヶ谷、高円寺あたりの高架では、電車の窓から真っ白な富士山が望める。
高いところからは当然だが、路上から昔のように富士山が見えるところが果たしてあるのだろうか?
気になった。
1月の大気の状態がいい今の時期に、探索してみようと思い立った。
富士の絶景の探索ではなく、富士が路上から見える場所の探索だ。
![]()
方法
富士山は、冬の快晴の日に、地平線上の丹沢山地の上に白銀の姿を現わす。
地図と富士山コンパスを使って、障害物のない候補地点をいくつか絞り込んでおき、晴天の日に確認に行けばよい、と思いついた。
富士山コンパスとは、常に富士山の方向を矢印で示すようにセットした、携帯用のGPSのこと。
これを候補地の坂上や高台で使うと、曇っていてもその先に富士山があることが分かるので、見通しを妨げる障害物のチェックが出来る。
徒歩や自転車で探し回れる近場でさっそく実験だ。
![]() |
左: コンパス (ゲージから取り外したダイビング用水中コンパス)
右: ポケナビ(古いエンペックスの携帯用GPS) 富士山が矢印方向の89.3キロ先にあることを指している。
|
この探索で使ったツールは、この他は、双眼鏡とデジカメ、自転車 で全てだ。
せめて ズーム付きの一眼レフのデジカメがあれば最高だったが...
![]()
![]()
候補地
探索エリアは、家の付近を流れる善福寺川の流域とし、川沿いの高台などを候補に探した。
富士山が見えたという確認情報と 見えるだろうという独自探索の二本立てで捜した。
![]() |
赤色のタグは、路上から富士山を確認できた場所。
緑色のタグは、富士山を探したが確認出来なかった場所。
![]()
探索結果
| ■ 南荻窪一丁目 (図書館前の通り) | Mapion地図 |
家から、直線距離で500m程の近場だ。
丘とか坂とかのイメージが全くない住宅街のなかの通りで、いつも通っていた道なので、教えられた時は吃驚よりショックを受けた。
場所は、南荻窪図書館前の通りを環八方向に少し行った地点だ。
ここを教えてくれた人によると、「昔はもっと良く富士山が見えていたのに、」 と手前左の車のお宅の人が、話されていたそうだ。
![]() |
通りの右手先が図書館 |
2010.01.17撮影
|
|
![]() |
路上からだと印象が弱いので、 後ろのアパートの外付け階段から。
|
2010.01.24撮影
|
|
![]() |
デジタルズームで物足りない。 |
2010.01.24撮影 |
![]()
![]()
| ■ 南荻窪一丁目 (図書館通りに平行する道) | Mapion地図 |
与謝野晶子の永住の地そばの、小泉ふとん店内には「与謝野晶子ゆかりのサロン」がある。
そこの女性と話していたら、いつも散歩する近所の道から富士山が見える、と、ポイントを教えてもらった。
晶子作詞の近くの桃二小の校歌も、「高くそびゆる富士の嶺は 桃井第二の校庭へ
..」 と、富士山で始まる。
南荻窪図書館前の通りに平行する、北の方の道路で、環八の山梨中央銀行脇から入る道路であった。
ここからの富士山は正面にそびえており、道路の長い区間で見ることが出来た。
2010.02.03撮影
|
|
![]() |
|
2010.02.07撮影
|
|
![]() |
|
2010.02.07撮影 |
| ■ 五日市街道・尾崎橋 | Mapion地図 |
尾崎橋は、善福寺川に架かる橋で、五日市街道が通っている。
橋の両側は、上流も、下流も、善福寺川に沿って長い緑地公園になっている。
公園を散歩したり、ジョギングする人々が、この尾崎橋で信号待ちをして、横切って行く。
そのため、散歩の常連さん達には、ここから富士山が見えることはよく知られているようだ。
写真を撮ろうとしていると、通りすがりの人が、今日はちょっと弱いね、とか声をかけられた。
朝、ボンヤリした富士を眺めていたら、自転車に乗った完全防寒の女性が通りかかり、話しを交わした。
元旦に、車でこの橋を通過した時、正面に富士山が凄く綺麗に見え、感激した、と話してくれた。
10何年もこの道を走っていたが、初めての経験だったそうだ。
お正月は、大気中の塵もなく、ミラクル・ウェザーだったな、と思い返した。
![]() |
|
2010.01.17撮影
|
|
![]() |
|
2010.01.17撮影
|
|
![]() |
|
2010.01.17撮影 |
| ■ 大宮夕日が丘広場 (郷土博物館の下流) | Mapion地図 |
大宮八幡の少し下流にある、杉並区立郷土博物館は、旧・嵯峨侯爵邸の跡だ。
侯爵の長女浩は、清朝のラストエンペラーで満州国皇帝となった愛新覚羅溥儀の弟・溥傑と結婚し、流転の王妃といわれた。
この付近は新しく緑地公園化され、大宮夕日が丘広場が出来た。
2010.01.11撮影
|
|
2010.01.17撮影
|
|
2010.01.17撮影 |
| ■ 小高い丘の公園 (夕日が丘広場の隣) | Mapion地図 |
善福寺川に突き出た小高い丘がある。
公園に整備され、樫や松などの数本の木が周囲から目立つ、とても印象的な丘だ。
ここまで来るときはいつも立寄る。丘の先端にはドングリが一杯落ちている。
松の木の手前からの富士山がいい。
2010.01.17撮影
|
|
| 松ノ木小学校の脇に富士が見える。 学校の屋上からはもっと見事だろう。 |
|
2010.01.17撮影
|
|
2010.01.17撮影
|
|
2010.01.17撮影 |
| ■ 梅里二丁目(五日市街道) | Mapion地図 |
五日市街道の尾崎橋よりずっと中野よりの、梅里二丁目と松ノ木3丁目付近は坂道になっている。
この道路の先に富士山が望めるが、交通量も多く、条件はあまり良くない。
この坂道は長く、曇天時のGPSチェックでは適切な撮影位置がつかめなかった。
| 松の木バス停からの撮影。 | |
2010.01.26撮影
|
|
| |
|
2010.01.26撮影 |
| ■ 善福寺池 南東地域 (善福寺一丁目) | Mapion地図 |
杉並区内の、坂上から富士山が見える有名なポイントだ。
この坂道の他に、平行して、バス通りと、もう一箇所の3箇所で富士山を確認できた。
坂上から正面に綺麗に富士山が見える。
落着いた住宅地の中の静かな道路である。
| クリアな大気の日には綺麗であろう。
|
|
2010.01.17撮影
|
|
2010.01.17撮影 |
|
| こちらはバス通りの坂。 道路が広く、富士の頂も大きく見える
|
|
2010.01.24撮影
|
![]()
確認出来なかった場所
高台の崖の上に位置してる家の庭先からは、富士山が望めると思われる場所がいくつかあった。
昔は富士山が見える名所だった、近衛文麿の別宅・荻外荘の周辺の高台だ。
神田川流域では、井の頭線の富士見が丘〜久我山あたりをチェックしたが、路上からは無理のようだ。
南荻窪の例があるので、道路からのビューポイントもまだあるかもしれない。
![]()
![]()
今後
新しい場所、映りの良い写真への変更など、ぺージも手を加えていく予定だ。
また、杉並区内の、路上から富士山が見える情報があればご連絡いただきたい。
<後記> 自転車で、富士山コンパスを気にしながら、見えそうな場所を求めて走るのは楽しかった。 |
| 2010年 1月 20日 | 宇田川 東(awagadu) |
| リンク | 関東の富士見百景 | |
| 関東の富士見百景 (マップ) |