「 イヌが誕生したのは、日本列島で縄文社会によって」
      という仮説のツイート集



   2011年11月05日〜2012年01月31日:「ナショナル・ジオグラフィック」  
追記:2023年02月19日:         「ダーウィンが来た!」




2011年11月05日(土) 


NHK 「 地球ドラマチック イヌはこうして進化した 」(前編)を見た。
ヒトとの共生の姿に心を打たれたが、発端の仮説には? 
巨大ゴミ捨て場の野犬を見せて、オオカミがゴミ場に食べに来て、と。
オオカミは食べるわけないよ。
食べに来るシカなどを食べに来た、の誤りだろうな。
ゴミもそんなに出ない。


スエーデンでのプロジェクトで、オオカミから犬に分かれた場所を遺伝子分析で特定中で、
東ユーラシアが起源らしい所まで行ってるようだ。
ニホンオオカミが世界のイヌのルーツもあり得る。
そこでの1万5千年前の人サイドの代表は縄文人だから。



※注1※
NHK 「地球ドラマチック イヌはこうして進化した」
前編  http://bit.ly/zsLUaP
後編  http://bit.ly/z9ukT7

※注2※
イヌの正確な発祥地を探るプロジェクトは、スエーデン王立工科大学で進行中。
イヌの起源を、ミトコンドリアDNAの遺伝子レベルで探索している。



2011年11月14日(月) 


NHK 「 地球ドラマチック イヌはこうして進化した 」(後編)を見て、人間であることが嫌になってしまった。
狩猟犬、牧羊犬、氷上のソリ曳きなど、ヒトの能力を補完するパートナーとして共生してきたイヌを、
人間がペットとしたことからイヌの悲劇が生まれた。



ペットとして、金魚の珍種づくりのように、イヌは交配でかけ合わされて様々な人目を引く愛玩犬が誕生させられた。
清朝の宮廷でつくられたペキニーズ。
ブルドックは不自然な骨格に作られ、産道が出産に耐えられないため帝王切開で生まれるそうだ。
ペット犬の反抗も見ていてかわいそうだった。



1万五千年前に、一匹のメスオオカミがヒトと仲良くなりイヌが誕生した。
そして信頼関係で結ばれ、ヒトのパートナーとして共生してきた。
そのイヌを人間は裏切り家畜としてしまった、と感じた。
家畜ならヒトの都合で何をしても許される。
走狗煮られる、か、愛玩物として改造させられるか、も。



2012年01月27日(金)  


それに反対する人のツイートが目に留まったので、知床とかで絶滅したカワウソとオオカミ導入の計画が検討されているのかもしれない。
シカによる西日本の山林の荒廃が気になっているので、オオカミの導入は生態系の回復に役立つ、とは思っている。
でもリスクを負うべきかの議論が必要とも思っている。


今のままで推移させればシカの増殖で山林の生態系がどうなるか、のリスクを云って欲しい。
オオカミを導入するリスクは素人でも分かる。
それより、本来の目的であるシカの増殖を食い止める手立てを一番提案して欲しいのだ。
導入/非導入のリスクや、その他の方策を知りたい。


垣花廣幸・仲盛広明両氏らが取り組んだ「ウリミバエ根絶プロジェクト」は、日本の農家にとって神様みたいな業績だ。
大発生に対して成功した駆除方法だが、オス鹿を不妊にさせて戻す、なんてこともアリかと素人の強みで考えてみた。



2012年01月28日(土) 


絶滅した日本オオカミへの関心事は、イヌの祖先は日本オオカミではなかったか?、ということ。
イヌの祖先となった1万五千年前の一匹のメスオオカミをDNAで探索しているスエーデンのプロジェクトでは、
現在東ユーラシアが起源、とまで進んでいる。



その時に東ユーラシアで栄えていたヒトは縄文人だ。
また、読んではないが最新のナショナル ジオグラフィック日本版では、85犬種のなかでいちばんオオカミ度が高いのは柴犬だ、と。
夢は膨らむ。



ヒトを恐れず、ヒトに接近してイヌの祖先となった一匹のメスオオカミ。
イヌの祖先を探すキーは、イヌとして受け入れたヒト。
その時に繁栄していて、そのイヌをも繁栄させた人類。
縄文人の可能性は高いと信じている。そして日本オオカミだったと。



イヌのはじまりについて想像すると、ヒトの問題になる。
ヒトの集落に接近し、ヒトを恐れなかったオオカミは世界各地に存在したと思う。
が、ヒトはオオカミを拒絶した。
唯一、共生を許したヒトたちがイヌの祖先を造り上げたのだ。



生活に余裕のあった縄文人が、メスのニホンオオカミを追い払わなかった、と思う。
日本人の祖先が今、世界中に広まったイヌの祖先を造ったとしたら、素晴らしいことで誇りに思う。
明日、有楽町マリオンでの縄文フォーラムに参加するが、ヒントが得られるといいな。



2012年01月29日(日)  


今日、「 縄文遺跡群 世界遺産登録推進フォーラム 」という長い題名の講演を聞きに行った。

6万年前にアフリカを出たホモサピエンスは3万5000年前に日本列島に到達し、
1万5000年前から定住生活に入り、縄文草創期文化を生んだ。
印象に残ったことは、



@
縄文文化の古さというと、人類史上最古の土器の製作・利用をしていて、
BC15000から始まり大陸より5000年も古いと。
ウルシも9000年前から使用して世界最古、と。


A
自称”杉並の縄文人”岡村道雄氏は、イヌは縄文人が飼っていたのが世界最古、と。
先日来抱いていた、イヌの起源は縄文人によって日本列島で誕生したのでは? という推測が裏づけられた気がした。
ニホンオオカミの祖先がイヌの祖先では、という観点で見直すべきと感じた。


B
八丈島などの縄文早期遺跡にはそこにいないイノシシの骨が出てくる。
これは漁撈の為に島に渡った縄文人が、魚介だけでは飽きちゃうな、肉も食いたいな、ということで、
丸木舟にイノシシ(ウリ坊)を連れて渡ったのだろうと。
やっぱグルメだ。



C
辻誠一郎氏は、真っ赤な実をつけるエゾニワトコの種や搾りカスが、三内丸山遺跡や池内遺跡からドッサリ出てくるが、
アレは絶対に大量の酒を作っていた、と。
それを聞いて、とても飲んでみたい気分だ。
交流用の酒との仮説だった。


D
小林達雄氏の話は、まだ頭の中で消化されていないが、定住生活の文化は農耕を前提にしていたが、
縄文は農耕とは無縁の定住で、しかもムラが何千年も続いた。
環境の上手な活用でそれを可能にしたユニークな文化で、クリやウルシの栽培はしていたが農耕を前提にしないムラの生き方、と。



2012年01月30日(月)  


「縄文遺跡群を世界遺産に登録するにはパンチ力に欠けます。
明快なシンボルが必要です。
縄文文化がイヌを誕生・育み、人類に多大な貢献をした原初文明なのだ、というアイデアは如何。」


という内容の感想を事務局に出した。読んでくれてるかな?



縄文人は1万5千年前に集落をつくり定住を開始した。
農耕でなく、採取漁撈のシステムを採用して。
そして土器の製作に励み、何世代も長く暮らせる住居を作り、祭祀も発達させた。
集落で定住したから、集落に近づいたオオカミが原初のイヌになり、縄文人に受け入れられイヌとして発達した、と思う。



どうしてイヌはあんなにヒトが好きなんだろう?
この疑問の解答が見えた気がする。
原初のイヌが縄文人に可愛がられてイヌになった、という記憶が遺伝子に刷り込まれたのだろう。
邪険に扱われていたらこうならない。
イヌを大事にした縄文人に感謝しなくては。



ヒトと共生することによって、出産後の子犬の危険が減少したこと&成長も安定したこと。
食料の入手への苦労が減じたこと。
ヒトと気持ちを通わせることが出来たこと。
などの安心安全がヒト好きの背景要素であろう。




2012年01月31日(火)  

ナショナル・ジオグラフィック日本版  2012年2月号

 特集 犬の遺伝子を科学する

 を見た。   http://ow.ly/8I8Ll


現存する350〜400の犬種の大半は、ここ200年ほどの間につくられた。
ブリーダーたちは新しい犬種を次々に追い求め、異なる特徴を持つ犬種をかけあわせては、
目指す特徴を最もよく受け継いだ子孫だけを繁殖させてきた。



85犬種のDNA解析の結果、遺伝子の類似性を基に四つのグループに分類できた。
オオカミ系
・牧畜犬系
・猟犬系
・マスティフ系(使役犬)


そして、85犬種で、遺伝的にオオカミに近く、最も古くから人間に飼われていた犬種で、
オオカミ度が高い順は、


 @柴犬  
 Aチャウ・チャウ  (中国・華北)
 B秋田犬 

 Cアラスカン・マラミュート  (アラスカ西部 エスキモー マラミュート族の橇犬)
 Dバセンジー  (中央アフリカ ピグミー族の猟犬)
 Eシャー・ベイ (中国南部・広東省)

 Fシベリアン・ハスキー (ロシア・シベリア)
 Gアフガン・ハウンド (アフガニスタン)
 ・・以下はオオカミ度はぐっと低下する。


驚いたことに、姿がオオカミに似ている ジャ−マン・シェパード・ドッグは、オオカミ度は極めて低く、
牧畜犬系でもなく、使役犬系で軍用犬・警察犬として改良されてきたことが判明。

     

イヌが日本列島で誕生した ということは私の中で確定した。







2015年02月06日 発信地:パリ/フランス


イヌ家畜化は1万5000年前か、 最新化石分析 研究
http://www.afpbb.com/articles/-/3038941






3万年前 → 1万5千年前に修正された。


この時代なら 縄文時代の始まりで 
縄文人がオオカミからイヌを創り出した、
という仮説を補強する。


2019年9月28日

講演 「ここまで分かった! 縄文犬」 慶応大学教授 佐藤孝雄

 (於:東京都埋蔵文化財調査センター)  に行った。






縄文早期末、BP7300〜7200年の、日本最古の埋葬された縄文犬2体(愛媛県上黒岩岩陰遺跡)の、
一時紛失し大学の倉庫から再発見されたものを中心に説明があった。
顎の骨だけであれば、BP9240年の横須賀市夏島貝塚出土がある。
犬の骨は埋められなければバラバラで残る。人が意図的に埋めれば、解剖学的な姿勢で残る。埋葬犬である。
日本では、埋葬犬は162個体。 100遺跡で200体以上見つかっている。

ウルフドッグ(オオカミとイヌの中間)は、ベルギーで36,000年前、 シリヤ、ウクライナで 3万年前の骨が見つかっているが、イヌ的かは懐疑がある。
イヌの起源は、「シリアなどの地中海沿岸(※1)」 と 「東ユーラシア」 の2説が争っている状況。
私は縄文犬が世界最古と信じているがライバルは多いようだ。

面白いと思ったのは、縄文人はイヌを改良していないと。
7000年前〜3000年前まで出土のイヌが同じ形態だと。
現在、上黒岩岩陰遺跡の縄文犬はオックスフォード大学と共同で、全ゲノム解析が進行中。


※1:イスラエル北部のアイン・マラッハ遺跡(1万2000年〜1万年前)から ヒトと一緒に埋葬さた子イヌの骨が見つかっている。
   遺跡は当時は森林地帯で、農耕は無く、狩猟・漁労中心の生活で、土器は見つかってない。



2022年5月10日

ニホンオオカミの起源を解明

東京工業大学の西原秀典助教は、山梨大、東京農業大、国立遺伝学研究所、山形大学、国立歴史民俗博物館などとの研究グループにて、
・かつて日本列島に生息していた3万5000年前の巨大なオオカミと、5000年前のニホンオオカミの化石から古代DNA解析に成功
・巨大なオオカミは古くに分岐した更新世オオカミ系統の一つであることが判明
・ニホンオオカミは巨大な更新世オオカミの系統と後から日本列島に入ってきたオオカミ系統の交雑により成立。
・3万7000年前〜1万4000年前の間にニホンオオカミの祖先に繋がる系統が渡来し、交雑して成立。
https://www.titech.ac.jp/news/2022/063976




2023年2月19日(日)

NHKTV 「ダーウィンが来た!」 「解明! 本当のニホンオオカミ

ニホンオオカミは1905年(明治38年)に絶滅したとされている。

第1章 謎だらけのニホンオオカミ
 オランダ・ライデン大学には(シーボルトからもたらされた)、分類の基本となるニホンオオカミの剥製標本があるが、
 DNA解析によって、これはニホンオオカミではなく、ニホンオオカミとイヌの交雑体であることが判明した。


第2章 高精細度CGでニホンオオカミを復元する
 猪狩神社の神事や、三峰神社保存のオオカミの毛皮が登場した。
 (余談だが、ニホンオオカミは大口眞神と呼ばれ、農民の信仰を集めていたことは『オオカミの護符』小倉美恵子 に詳しい。
  実は、私の部屋にも 御嶽山の大口眞神の護符が貼ってある(笑) )

 日本に3体残る剥製標本や、2体残る全身骨格から、ニホンオオカミの実像を復元。
 小型で胴長短足、短耳、目の色などを高精細度CGで復元した。


第3章 最新研究からの驚きの新事実
 寺井洋平博士は、100種類のイヌのDNA解析をした。
 秋田犬、紀州犬、柴犬、ディンゴ、アフリカのイヌ、チュウゴクオオカミ、ヨーロッパオオカミ、北米オオカミ、コヨーテなど。



 →その結果、多くのイヌが、ニホンオオカミと共通の遺伝子が残されていた。
  これまで、イヌの祖先は大陸のハイイロオオカミと考えられてきたが、ハイイロオオカミとイヌは遠い関係だった。

 →ニホンオオカミが、イヌに最も近縁なオオカミ という可能性が高いことがわかった。

 →全てのイヌは、ニホンオオカミと共通の祖先をもつ
 (そして、巨大オオカミと小型オオカミとの交雑でニホンオオカミの祖先が誕生したことが判明している。)





〜〜〜 以上の事実から推論できることは 〜〜〜
       

 オオカミ側から見て、イヌに最も近いオオカミが今回見つかった。(ニホンオオカミ)
 イヌ側から見て、オオカミに最も近いイヌは既に見つかっている。(柴犬)
 10年の歳月を経て、両者は見事に一点を指し示している。


       
 そして、イヌのルーツ(誕生地)を探ることは、最初に定住生活を始めたヒト のルーツ(誕生地)を探ることに等しい。
 移動生活をしている集団では、オオカミは世代を継承してイヌにはなれない。

       
 イヌのルーツは プレ日本オオカミで、「イヌが誕生したのは日本列島で縄文社会によって」という私の仮説を、再確信した。




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《参考》
 雑記帳(「ニホンオオカミの遺伝的歴史」 2023年02月22日
 ・寺井洋平氏の発表を詳しく述べており、ニホンオオカミとイヌ系統の研究成果が良くわかる。
  ニホンオオカミなのか、イヌ系統なのか、 はさておき、イヌが誕生したのは日本列島で縄文社会によって、は不動。
  https://sicambre.seesaa.net/article/202302article_22.html








  <追 記 資 料>


@
愛媛県久万高原町 上黒岩岩陰遺跡 縄文時代早期末〜前期初頭

縄文人は、イヌを ヒトと同じように埋葬していた。





A
青森県・二ツ森貝塚(6千年前) からは丁重に埋葬されたイヌが見つかっている。
現在のマタギが、年老いて狩りに行けなくなった犬でも面倒を見て、犬を大切に葬うのと同じ、と。




B千葉県
縄文人は、イヌを ヒトと同じように埋葬していた。 
船橋市に、飛ノ台遺跡 に隣接する 「飛ノ台史跡公園博物館」 に 縄文犬埋葬の展示。

展示1: 

縄文早期遺跡に埋葬されていた犬の骨格をもとにして、
「飛丸(とびまる)」という名をつけた縄文犬が復元されている。



展示2: 

また、3匹の犬が埋葬されていて、そのうち1匹は足を骨折していました、と。
狩をして、足を骨折した犬を大切に飼っていたことがわかります、と。






C
2013年10月5日

佐賀県・東名遺跡 :在来犬最古の骨出土 約7000年前
佐賀市→ https://www.city.saga.lg.jp/main/3901.html


東名遺跡出土の犬骨調査結果 (約 7,000 年前・縄文時代早期

国内最古として知られる D夏島貝塚(神奈川県)に次ぐ古さで、保存状態が良い。
→ https://www.city.saga.lg.jp/site_files/file/usefiles/downloads/s37982_20131004062148.pdf


柴犬や秋田犬に近い、と。




D
2016年3月9日

埼玉県蓮田市黒浜の国指定史跡黒浜貝塚で、県内最古となる 約6200年前と推定される縄文犬の骨が見つかった。
体長約50センチの小型の柴犬系で、人により埋葬されたと推定される。
水子貝塚(富士見市)の縄文犬の約6千年前よりも古いという。

http://animal-channel.net/?p=8462
http://sippolife.jp/article/2016030700002.html



E
2017年8月31日

沖縄県で 約5000〜4500年前の犬の全身骨格が2体

沖縄県名護市安和区で、縄文時代晩期(BC3000〜2500年)の地層から、全身骨格が残った犬の骨2体が見つかった。
中型犬が2メートル間隔で並んでいて、埋葬されたものとみられている。
周辺では、土器、石器、貝殻、ジュゴンの骨などが出土している。


http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/135551




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