福岡県八女郡黒木町を訪れて(2005.12.12〜12.13)


 

昨年の12月に、不思議な岩に出会いました。

福岡県は、熊本県との境の山間地にある黒木町でのことです。

このあたりは奥八女と呼ばれ、玉露で有名な八女茶の産地です。
というより、八女茶の発祥の地そのものです。

 

中国から帰国した僧が、持ち帰った茶の実をこの地で育てたのが八女茶の発祥といわれてます。
その場所は、黒木町の山間の奥にある
霊巌寺 というお寺さんです。


清流を挟んだ棚田のような傾斜地に茶畑が開けてます。
朝霧が立ち込め、一日の気温の差が激しい環境です。
このあたりは空気も水も清浄な地です。

昔々、宇治茶最高の玉露を産み出す 朝宮 の地を訪れたことがあります。(当時は朝宮茶は宇治茶の区分に入っていました。)
この地も小高い丘陵に茶畑が開けており、空気も水も清浄な地でした。
ここで採れるお茶はさぞかし美味しいだろうな、と心底感じさせる土地でした。
似通った雰囲気を霊巌寺のあたりにも感じました。

 

 

12月半ば、私達は霊巌寺の更に奥にある廃校となった小学校を目指していました。
この日は日本列島を寒波が襲い、九州のこの山間は吹雪いてました。

      慣れない雪道でのノロノロ運転             棚田も白一色

 

霊巌寺に達し、お茶の里記念館の前に車を停めました。

 建物入口に駐車し、役場の人が説明してくれました。 

 雪をかぶった碑に お茶の里記念館の文字が
 なんとか読めます。

   


説明してくれたのですが、吹雪いているのと、車窓からということで 最初はなんだかよくわかりませんでした。



説明に従って屋根の上を見上げると、なにやら尖がった柱のような岩が見えました。

   
             カメラでズーム・アップして吃驚。  なんと! 巨大な ペニス岩 です。

 

あけっぴろげな場所にどか〜んと 見事に屹立しています。
直径4メートル 高さ12メートルの巨大な岩で ”珍宝岩” 別称 ”男岩”と呼ばれているそうです。


私は こういうのを見ると嬉しくなってしまいます。
ひっそりとした処でお参りする人を待っている金精様とちがって 広い空間にどか〜んですから(笑)

日本三大奇岩の一つと云われているそうですが 全く有名ではありませんね。

 

 

  下の写真は、場所を変えて見た 全景です。

  吹雪いてたので車の窓越しです。   墨絵の世界に、ロケットのように見事に屹立している岩が見えます。

 

この日はあいにくの天気で、充分に全景が撮れませんでしたが、晴天の日に撮った写真が下記にあります。

http://www.ajkj.jp/ajkj/fukuoka/kurogi/kanko/reiganji_kigan/reiganji_kigan.html    (← サイト ”あじこじ九州” のページ)


世の中には本当に面白いものがあります。
日本で唯一の巨大な男岩です。 まさに自然の驚異です。

← 黒木町産の八女茶   華くろき  の茶袋

 上段の図が男岩です。

 中段の図は霊巌寺。

 下段の図は美しい茶畑。

 




<メ モ>

 黒木は平安末期から戦国末期までの長い間、黒木氏の城下町だった街です。
 清流が流れ、国の天然記念物の藤の大木や、昔の商家の家並みが残っている落ち着いた町です。
 (黒木瞳の生まれ育った町でもあります。)


  是非、黒木の八女茶を飲んでみてください。そして あそこの地で採れたお茶なんだ、と、にっこりしてください。

 

 




私には、忘れられない奇岩がもう一つあります。 こちらは有名です。

語ってもいけない 聞いてもいけない とされている、出羽の国・湯殿山の御神体です。
これも まさに地球の産み出した不思議でした。


参拝前に裸足になり、神官から御祓いを受けてから向かいます。
御神体に対面し、触れ、そして感激しました。


  奥の細道のなかで、湯殿山を訪れた芭蕉は、次の意味深い句を残しております。


    語られぬ湯殿にぬらす袂かな           芭蕉 


  
 この句は、ご神体を拝んだ人には素直に意味が通じます。
 見たり 聞いたり したことのない人には謎でしょう。 


 参拝道の入口。仙人沢。

 大鳥居と湯殿山参籠所がある。 
 ご神体を祭っている湯殿山神社は 遥か奥になります。

   

 
 この聖地は 撮影禁止となっています。
 この御神体の写真を掲載したガイド書が大手出版社から出て立腹したことがありました。
 編集者の品格を疑いました。




<メ モ>

 寒河江から入る湯殿山への参詣路(六十里越街道)の途中に、出羽屋という昔からの旅籠があります。
そのあたりは山菜の宝庫で、山菜料理で有名です。 主人が書いた「出羽屋の山菜料理 」という本を読んだことがあります。

巡礼者のおもてなしのために、山菜をどうしたら美味しく食べられるか工夫を積み重ね、
野菜の代用的食材であった山菜を料理にまで高めた、という山菜料理の創始者としての出羽屋の自負が書いてありました。

実際の料理の写真も美味しそうでした。

湯殿山からの帰途に立ち寄りました。

  手前が昔ながらの本館。食事は全て個室でした。     珍しいものばかり。とても美味しかったです。 (時期は夏です。)

 

 



 地元の人々から大切にされてきた聖地の一つに、沖縄の伊平屋島にあるクマヤ洞窟があります。
 ここのご神体は単体の岩ではなく、神秘的な岩屋そのものです。 その中に満ちている霊気そのものです。

 

 伊平屋島は、本島の最北部にあり、沖縄の離島では珍しい、山があり水が豊富な島です。
 水田があり、お米が採れる小さな島です。田名という字の集落もあります。

 ここは、まだ 昔の沖縄らしさが残っている数少ない地域といわれています。

         中部の我喜屋地区     南部の島尻地区。(阿波岳のカーブが美しい)

 

島の北部の海岸沿いにクマヤの洞窟があります。
海沿いの道路から岩山を登っていきます。道は整備されています。
洞窟内には狭い岩の隙間から入っていきます。

 

先に見える緑色の岬は最北端の田名岬。 クバが茂るクバ山です。
 
 

隙間を入ると、内部は広大な空間になってます。

入口の狭さとの落差が大きく、吃驚してしまいます。

 

大きな空間は 沖縄に多い鍾乳洞ではありません。
岩石のなかにポッカリと出来た空間のようです。

狭い岩の隙間が入口です。(絶対に、手を加え広げたりしてほしくないです。) 

洞窟内はとても神秘的です。不思議な気が満ちています。

案内されたとき、タバコやゴミを捨てたりしないように注意されました。
聖地の霊気を充分過ぎるほど感じさせられ、畏敬の念を持ちました。

そのような雰囲気であったため、写真を撮ることさえ憚られました。


         〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



そんなクマヤ洞窟の内部が、数年前に某雑誌に大きく掲載されました。
撮影に際し、ノロを通じて十分に霊的存在に了解を取り付けていたのか、いささか心配しました。
撮ったカメラマンのその後の健康が気になったからです。
でも、役場の協力を得て取材していたので、当然その方面への手続きも済んでいたのでしょう。(笑)

    写 真  で見ても驚異の洞窟でした。

 


<メ モ>

島の南端の野甫集落には一軒だけ商店があります。 
生活必需品が満載の 野甫商店 です。 私のお気に入りのお店です。
懐かしさがこみ上げてくるたたずまいです。

 

 

 

     以上が 黒木町の奇岩に触発されて選んだ 私の三大奇岩・岩屋です。

 

 


 

【 追 記 】  (2006年10月)

 黒木町の奇岩の話を聞いた知人から、宮崎県小林市の奇岩についての情報提供がありました。

 

 小林の奇岩 陰陽石(いんようせき)です。

 

 黒木町と違って、こちらは男女一対の奇岩です。

 男石(陽石)は、高さ 17.5m 。胴回りは直径4m。
 女石(陰石)は周囲 5.5m。
 よろず生産の神、また子宝の神として信仰されているようです。

 直径4mは黒木町の奇岩と同じサイズです。  高さ17mというのは、
 胴体部分の長さではなく、下の水面からの岩全体の高さのような気がします。

 

 面白いことに、野口雨情がここを訪れ

 「浜の瀬川には二つの奇石 人にゃ言うなよ 語るなよ」 
 と湯殿山の御神体にたいするような歌を残しています。

 

↑ 知人から貰った テレホンカードです。


 

【 追 記 2】  (2011年06月)

日本の最西端・与那国島は断崖絶壁に囲まれている。 その海中に 立神岩 (たちがみいわ)がある。
展望所が2箇所あり、離れた方から見ると、海中から突き出た立派なペニスに見える。

 

yonaguni01.jpg (39670 バイト) yonaguni02.jpg (41079 バイト)
   与那国島の立神岩  http://t.co/HFyPjwX            与那国島の立神岩 

 

 

【 追 記 3】  (2015年11月)


男根形自然石では、「松川の女泣き石」が迫力だ。

場所は、福島市松川町石合。




2006年1月6日

宇田川 東
 リンク あじこじ九州: 九州の地域再発見を目指した情報紹介サイト。必見:黒木町。