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FILE-003[1999.4.12] 『ビールと手料理』

だいたい帰ると腹ペコなのですぐに晩飯を食う。
しかし、今日はちょっと暖かかったし、帰り道少し汗ばんだので先に風呂に入ることにした。

風呂から上がると、僕の晩飯の支度をしてくれている嫁さんを尻目にすぐさま冷蔵庫を開け、ビールを取り出す。
ん〜、んまいっ。

ほどなく、晩飯も出来上がり、冷たいビールと空腹を満たす晩飯で幸せになり、
「う〜ん、うまいなァ。幸せ〜」と口に出して言ってしまった。すると嫁さんが、
「うまいって、ビールが?それとも料理が?」と喧嘩を売るように聞いてきた。

ここで大人になりきれないのが、僕のダメなところである。思わず「ビール」と言いそうになり、一応は自制が効いたのだが、それでも
「両方」なんてバカな答えをしてしまった。

「アンタ、私が一生懸命手を加えて、愛情込めて作った料理と、なぁんも手が加わってないそのまんまのビールと同じやって言うん?」
「い、いや、もちろん料理。うまいっ。最高っ!」
「分かったらエエねん、分かったら」

いやはや、疲れる。晩飯の時も油断は禁物なのだ。



《独白》 たいてい僕が帰宅する頃には嫁さんは夕食を終えている。
そして、僕が食べていると嫁さんはじぃーっと僕を見つめている。
僕がその視線を素早く察知し、「うーん、うまいなぁ。俺は幸せやなぁ」と言うと、嫁さんは満足げな表情を浮かべて、やっと視線をTVへと移して下さるのである。

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