結婚まで物語


〜結婚まであと1年半〜



その頃、僕たちはちょくちょく彼女の家の車を借りてデートをしていました。僕は会社の寮住まいで、車は実家に置いていたのです。

そんなある日、1日のデートが終わって、しかも珍しく8時台という早い時間に帰ろうとしていた時のことです。

僕の実家から結構近くの、走りなれた道を運転していた僕の右目の端に何かがちらっと映りました。交差点に差し掛かる手前、信号は赤信号だけどその下にのマーク、つまり“直進はOK”のサインです。

「あ」
信号を無視して右から交差点に進入してくる車。
とっさにハンドルを左へきる。
急ブレーキは危ない。心持ちゆっくりめにブレーキを踏む。
右からぶつかってくる車。運転席右のガラスとフロントガラスが割れる。
左へ避けながら歩道に歩行者がいないか見る。
歩道には信号と標識。正面衝突は避けなければ。
その2本の柱の間に車を滑り込ませる。
車が・・・止まった。

自分でも驚くほど、僕はとても冷静に対処していました。その瞬間はまるでスローモーションであったかのように、思い出すこともできます。でも、かなり大きな事故でした。運転席からボンネットにかけて右側はぐしゃぐしゃ。僕たちは助手席から這いずり出し、相手の運転手が携帯電話で呼んだ救急車に乗せられて近くの病院に運ばれたのでした。

病院で検査を受けた結果、首と腰にムチウチ症らしき痛みはあったのですが、二人とも打撲のみで骨折さえしていないという軽症でした(←僕の冷静な判断と巧みなハンドルさばきのおかげ(^^)ゞ)。

僕は実家へ電話し、車で迎えに来てもらって、彼女を乗せて彼女の家まで行ったのでした。

そして、初めて彼女の両親と御対面。こんな形で顔を合わすことになろうとは・・・。

相手に100%過失ありという交通事故にしては珍しい結果になったのですが、それでも僕は彼女の家の車を廃車にしてしまい、軽症とは言え、彼女には怪我もさせてしまったのです。さすがにそのままで済ませるわけにもいかず、後日、彼女の家にお詫びに行ったのでした。

しかし、お詫びの言葉を述べて、はいさいなら、というわけにはいきません。僕はそこで「結婚を前提に彼女と付き合っています」という“付き合っています宣言”をしたのでした。初対面の時は事故の直後で動揺していたこともあり、ほとんど話せなかったのです。

しかし、両親に言われたのは「釣書を持ってこい」。

(釣書???)とにかくその場はとりあえず退散したのでした。戦いはこれから始まるのです。(つづく)


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