2009年01月30日
キリン(動物)
キリンという生き物を知らない人はやっぱりいないだろうと思う。もちろん某ビールメーカーの掲げているあのキリンではなくて、首の長いキリンのことだ。ラテン語ではヒョウ柄のラクダ、中国では首の長いシカと呼んでいるらしいがこのキリン、なかなか奇抜な外見をしているだけあっていくつか独特で楽しい特徴を持っている。
まずはわりと有名なところで、キリンの長い首に骨はたったの7個しかない。これはたいていの哺乳類に共通した特徴で、ヒトだってイヌだってクジラだって同じ7個しかない。当然一個の骨が大きくて長く、強靭な筋肉で支えられていてこの長い首で高いところにある葉っぱをもくもくと食べるというのが、誰もが知っているキリンの姿だろう。
ところでこんな疑問を考えた人がいる。あれだけ長い首でキリンは立ちくらみをしないのだろうかということだ。立ちくらみというのは急に立ち上がったりするときに、頭に血がまわらなくなって貧血を起こすことだが実はキリンの頭には脳みそと首の間に専用の血管網があって、これがクッションの役目をして勢いよく頭を振っても立ちくらみがしないようにできているのだ。これが進化の結果だとしたらさぞかしキリンのご先祖は立ちくらみで悩んでいたのかもしれない。
そしてもう一つ。実はキリンは数ある哺乳動物の中でもっともツノが多い動物で、頭のてっぺんに短くて丸いツノがなんと5本も生えている。頭の上に2本、その前に丸いツノが1本、後ろに短いのが2本だ。群れを率いるオスは他のオスと戦うために、このツノをガシガシぶつけて戦う。長く大きい、強靭な筋肉で支えられた首をぶんぶん振り回す技はその名も「ネッキング」と呼ばれている。
重さ1トンを超えるキリンが、コブつきハンマーのような首で殴りかかるのだからその破壊力たるや想像を絶するもので、たいていの動物であればこれで軽々とノックアウトできるだろう。概して草食獣こそ肉食獣に比べて大きくて強いことはあまり知られていない。
ところでキリンは勢いよく頭を振っても立ちくらみがしないようになっているのだが、これが進化の結果だとしたらさぞかしキリンのご先祖は。
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