2009年02月25日
バビルサ(動物)
名前だけ聞いてもけっこう知られていない動物というのはたくさんいるが、動物好きな子供であればやはりバビルサの名前は抑えておきたい。妙にかっこういい名前のこの生き物、インドネシア周辺の島々に暮らしているのだがものすごいキバを持っている動物として一部の人には有名だ。
バビルサのキバは二対、つまり四本のキバが上あごと下あごからそれぞれ二本ずつ伸びているのだが、長く反りかえった巨大なキバは大きすぎてバビルサ自身の顔を突き破って伸びている。下あごのキバは上くちびるを、上あごのキバも上に伸びてやっぱり上くちびるを突き抜けているので、顔そのものから四本のキバが生えているように見えるのだ。これはなかなかインパクトがある。
このバビルサ、学名はバビルサ・バビルッサで現地インドネシアの言葉ではブタシカの意味、和名ではシカイノシシと呼ばれていてようするにイノシシの仲間だ。シカにイノシシとくればあとはチョウが欲しいところだがそれは蛇足。
一見してイノシシに見える生き物の顔面から四本のキバが伸びる、キバは弧を描いて自分の顔に向けて反りかえっているのでこれで顔を守っているのかもしれない。アフリカにいるイボイノシシなんかは自分の顔で巣にフタをして守ったりする習性があるから、バビルサもその類で進化をしたのだろうか。
とはいえこのキバ、延々と伸び続けて上くちびるを突き抜けて、反りかえってなおも伸びるとしまいには自分の頭に刺さるのではないか、などと考えたのだがジャワ島の動物園では実際に自分のキバが自分に突き刺さったバビルサがいたそうで、なんとその頭蓋骨は今でも残っている。
残念なことに国内でこのバビルサが飼育されていたという話はちょっと聞いたことがないので、これだけインパクトのある動物があまり知られていないだろうことは惜しく感じてしまう。これが海外であればいろいろな動物を紹介するテレビ番組にも事欠かないが、日本ではケーブルTVなり衛星放送なりでなければ、それを期待するのは酷というものだろう。
動物図鑑を手に入れようと思っている今日この頃。
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