2009年03月26日
野生の馬(動物)
野生の馬は野生の馬はなぜ駆けていく首もたげ尾をなびかせて、という有名な合唱曲を思い出すが、実際には野生の馬というものはそのほとんどが絶滅してしまっており、今でも野生種として現存している数少ない種類のひとつがモウコノウマとされている。この馬を除けば野生の馬はシマウマとかになってしまうので、野生のシマウマと唄うわけにはいかない以上このモウコノウマが現存する最後の野生の馬といっても差し支えはないだろう。
モウコノウマは野生の馬らしく、がっしりとした頑丈そうな身体つきで、それこそサラブレッドのような細身で美しい印象には欠けている。冬になると毛並みが長くなることもあって、一見して違いは明らかだ。たてがみが逆立っているのもサラブレッドとはずいぶん違う印象を与える。
1879年にロシアの探検家であるプシバルスキー大佐がモンゴルで発見、報告したのでプシバルスキーウマとも呼ばれているが、1960年代後半に野生下では一度絶滅したらしい。理由は明確にはなっていないが野生の馬というものはたいてい家畜にしてしまうし、平原の国モンゴルだって平原を都市へと開発しているからそのあたりの影響だろうとは言われている。
もちろん野生下でいなくなったからといってモウコノウマがすべて消えてしまった訳ではない。ヨーロッパ諸国の動物園に送られたり、日本でも多摩動物公園で飼育されたりしていたものが繁殖して今ではふたたびモンゴルで野生に戻そうという試みが行われている。それでもその数は1000頭を超える程度で、現在でも絶滅危惧種に指定されているようだ。
モウコノウマは現存するウマの祖先とはやや異なり、古代馬と現世馬の中間あたりに位置する亜種とされている。人類が馬とかかわってきた歴史の長さや深さを思わせる話だが、草原を駆ける野生の馬の姿を取り戻すことができるのであれば、たしかにそれは壮大な光景ではあるだろう。
ところでこのモウコノウマ、漢字ではそのまま蒙古野馬というのだが、カタカナで書かれているせいもあって「蒙古の馬」だとばかり思っていた。モウコ・ノ・ウマではなくてモウコ・ノウマであるから発音には注意しよう。
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