2009年08月28日


マレーグマ(動物)

 なぜかは知らないが、昔からマレーグマが好きだ。どうしようもなく好きというほどではなく、ごくふつうに好きという程度なのだがクマというよりマレーグマが気に入っている。単に動物園でたびたび見たのが理由だとしか思えない。

 マレーグマは一見してなんの変哲もないクマの姿をしているが、現存するクマの中でも最も小さいクマとして知られている。体長は1メートルを超えるくらいで体重は30から40キログラム、最大のクマであるホッキョクグマに比べると10分の1程度しかない。
 名前を見ても分かるように生息域はマレー半島、インドから中国、東南アジアの熱帯雨林を中心にした広い地域に渡っている。たいていのクマがそうであるように雑食性だが、果実や木の実、虫などを食べて暮らしている。前足の爪でアリ塚やハチの巣を壊したり、木の皮を引き裂いて虫をぺろりと平らげるというわけだ。

 外見では胸のあたりに大きめの三日月模様があって、なぜか鼻面から顔まで白っぽいので分かりやすい。英語では胸の模様からサンベアーと呼ばれているが、ハチミツが好きなのでハニーベアーと呼ばれることもあるらしくインドネシアではハチミツグマの名前で呼ばれている。夜行性で昼間は木の上で寝ていることが多い。

 農作物を荒らすので害獣として扱われているが、小柄な上に性格も温厚とあって現地ではペットとして飼育されている例も見られる。害獣として、毛皮として、ペットとして狩られるマレーグマは当然のように乱獲されて絶滅危惧種に指定されているが、残念なことにこれはマレーグマに限った話ではない。
 日本では前述のとおり動物園で飼育されていて、保護の助けになっているが昼間は眠っていてハチミツ好きの小さなクマであるといえば、モリノプウサンが好きな人には興味が沸くのかもしれない。とはいえ年食った大人だったら「何かに似ているから好きだ」とかいう小賢しい理屈を考えても、子供がマレーグマを気に入ることに理由は必要ないだろう。この顔だけ白っぽいクマが何かいいのである。

 当時からのお気に入りの動物といえばマレーグマにナマケグマ、シフゾウにゴールデンターキンにユキヒョウといえば知っている人にはどこの動物園か見当がつくだろう。パンダやコアラを喜ぶのは大人であって、背の低い子供には人だかりしか見えない檻なんて面白くもなんともないのだ。
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