2012年09月29日


恐竜(動物)

 恐竜が爬虫類よりも鳥類と近縁にあるという事例がここ10年ほどの研究でいくつも明らかになっている。古代世界を跋扈した大型爬虫類からやがて現生の鳥類や哺乳類が登場して云々という、昔からの恐竜図鑑に載っていた記述が少しずつ少しずつ解明されていき気がつけば子供の頃の記述が最近のそれと大きく変わっている。たかだか恐竜図鑑でさえ、学び続けることを怠れば今の子供に鼻で笑われる知識しか得られないということなのだ。
 特撮映画の怪獣のように太い脚と尻尾で立っていた肉食恐竜が、二本脚でバランスを取って立つようになったのはしばらく前の話だが、化石から当時の色素が特定できるようになって思ったよりも派手な色柄をしていたり羽毛に覆われていたりと外見そのものも多様な変化を遂げている。もちろん正確には恐竜が変化をしたわけではなく数億年を経てぼやけていたレンズが鮮明になっただけのことでしかない。

 それまで放置されていた中国での化石発掘が本格化したことで未収集だった羽毛恐竜の標本が多く見つかるようになると、どうやら羽毛というものは当初保温かディスプレイ用のどちらかに使われていたらしいという事情が判明する。考えてみれば羽毛がなくても飛べる動物がいて羽毛があっても飛べない鳥がいるのだから、羽毛の目的が他にあっても不思議はない。つまり人間が羽毛のジャケットを着こんだり羽毛布団をかぶったりする行為は、あるべきものを失った彼らがどれほど退化した生き物かの証明になるという訳だ。
 ひとくくりに恐竜と称されてはいるが、鳥盤類やら竜脚類やらいろいろと分類されている中でも現生鳥類の直接の祖先と思われているのが獣脚類で、よりにもよって名前にトリではなくケモノと入っているのはご愛嬌だが有名どころではかの暴竜ティランノサウルスも属している類である。小型種を中心にして羽毛のある標本が見つかっているが近年では羽毛のある大型獣脚類の化石も発見されていて、体長10メートルを超えるような恐竜がふかふかの羽毛に覆われていたのかもしれずあるいは子供のうちは羽毛に覆われていて成獣になると抜け落ちていたという説もある。進化論に従えばそうした中で羽毛やくちばしのある個体が生まれてそれが生き延びて鳥類が誕生することになる。

 地上を闊歩するティランノサウルスもタマゴを産み育てたには違いなく、あるとき生まれた子がまるでジュウシマツのような子供たちだった。ふかふかとした羽毛に覆われている上にとても仲が良くて寒いときには互いにくっついて暖を取りおなかの毛で卵を温めることもできるのだ。彼らはたちまち世界を席巻してしまうと恐竜はやがて滅びてしまうが、図体ばかりでかい下等な生き物を尻目に小鳥たちは今も生き残って地上の支配者として君臨している。

 異論反論は認めない。
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