2008年12月24日


ケーキの面積(科学)

 科学、というか数学の話だが数学というとかのアン・シャーリーのように敬遠してしまう人も多いようだ。心情的にはギルバート・ブライスに与する者としては数学というものが単なる自然科学のひとつであって、けっこう簡単で親しみやすいものであることを示せないものだろうかと思ったり思わなかったりもする。

 すでに祝い終えている人もいるだろうし、これからの人もいるだろうが世はクリスマスだ。そしてクリスマスといえばまずケーキを思い浮かべる人も多いだろう。先日のことだが、そのケーキを予約しようかと話をしていた最中にこんな会話があった。

「12cm×12cmの四角いケーキと、直径12cmの丸いケーキはどっちが大きい?」

 高さが同じだったらもちろん四角いケーキが大きいに決まっている。我がクイーン・アンもそんなことは理解できているのだが、どうして四角いケーキが大きいのか、どの程度大きいのか知りたがっている。感覚では1.5倍まではいかないと思うが、さてどの程度かいちおう計算してみよう。この場合はケーキのサイズが何センチでも関係ないので、12cmという数字は使わないで計算する。
 高さが同じだから面積だけで比べてみよう。四角形の面積はタテ×ヨコだし、丸の面積は半径×半径×円周率だ。この場合タテとヨコ、そして直径(半径×2)はそれぞれ同じ長さになるから中学生の数学の知識があれば

 四角:丸 = タテ×ヨコ:半径×半径×円周率

なので

 四角:丸 = 半径×2×半径×2:半径×半径×円周率

で、右側の数式を両方とも半径×半径で割ってしまうと

 四角:丸 = 2×2:円周率(3.141592...)

 だから四角の面積が4に対して丸の面積はだいたい3.14になる。これを割り算すると1.27くらいなので、1.5倍というのはちと言いすぎたようだ。ちなみに15cm×12cmの四角いケーキでさえ、直径15cmの丸いケーキよりもほんのちょっとだが大きい。基本的に丸いケーキよりも四角いケーキの方が大きいのだ。

 そこでプリンス・エドワード島での会話は脱線、かのヤンキーの肥満大国ではケーキがたいてい四角くつくられていることを思い出しながらしばし歓談する。今年はグリーン・ゲイブルズのアンが発表されてからちょうど100周年。
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