2009年01月19日


正多面体(科学)

 正多面体というものをご存知だろうか。古代ギリシアでユークリッドがかの原論に示したところでは、「同一の正多角形で構成されてかつすべての頂点に接する面の数が等しい立体」のことを指している。一番有名な正多面体といえばサイコロ型の立方体、正六面体。なるほど正四角形(正方形)が六枚あって、八つあるすべての頂点には三枚の面が接している。
 さてこの正多面体、ぜんぶで何種類あるかというと実はたったの五種類しかない。正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体、それで全部だ。このうち正四面体と正八面体、正二十面体は正三角形がそれぞれの数だけ集まっていて、正十二面体は正五角形が十二枚集まってできている。イメージしやすいのは正四面体と正六面体、それにピラミッドを上下合わせたような形をしている正八面体あたりだろうか。

 だが本当に、他に正多面体はないのだろうかと思う。少なくとも平面が二枚では立体にはならないから、存在するなら正三面体よりも多い数にはなる筈だ。そこでひとつの頂点には最低でも三枚以上の面が接しているとして、まずは今ある五種類の正多面体についてそれぞれ調べてみると

 ひとつの頂点に正三角形が三枚・・・正四面体
 ひとつの頂点に正三角形が四枚・・・正八面体
 ひとつの頂点に正三角形が五枚・・・正二十面体

 ひとつの頂点に正四角形が三枚・・・正六面体

 ひとつの頂点に正五角形が三枚・・・正十二面体

 なんとめぼしいところはすでに取られてしまっているのだ。正三角形の角は一つあたり60度だから、これが六枚集まったら360度で平面になってしまうではないか。同様に正四角形の角は一つあたり90度で、これが四枚集まったらやっぱり360度で平面になってしまう。正五角形の角は一つが108度、これだと四枚では360度を越えてしまうので一つの頂点に集めることができない。
 こいつらではダメだ。では正六角形ではどうか、こいつの角は一つあたり120度だから三枚集めると・・・やっぱり360度になりやがる!××××!(ジョン・クリーズ)

 そんな訳でこれ以外の数はどの図形を何枚用意したところで頂点に集めることができないのだ。だから正多面体はこの五種類しかない。これが今のところ証明されている正多面体の種類についての説明である。
 ちなみにこの証明、後にレオンハルト・オイラーという18世紀最大の数学者によって説明されている。この人は天文から数学まで数多くの業績を残しただけではなく、一筆書きができる条件なんていう楽しい発見もしてみせた人だが、かのロマノフ王朝時代にロシアで研究をしていたからたまには××××!と言いたくなることもあっただろうか。

 と、いうことを考えながらも実はある特定の条件さえ満たすことができれば、正二面体とか正一面体だってできる可能性があると思う。それは
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